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「了解しました。エルさん、おれたちと行くなら、ここの出発は花休みの二日目となりますのでそれまでに準備をしてください。詳しいことは追って説明します」
おれの領地に来たら何をするかで盛り上がり始めたところで寮についてしまい、この日はお開きになった。
◇
「では大きな荷物をこちらに。ベルフェゴール様の“厚意”で持っていただけることになりましたので」
「人の子は荷物が多くて大変そうだね」
朝早く、校門前に集まった面々に、ニコリと笑って手荷物を回収する。
おれは今まで持ってた資料とかを詰めるだけで良かったが、他の人は洋服などが入っているのだろう。
見た目にそぐわない軽さである。
「ベルちゃんもこれ乗るん？」
「乗るよ。馬車の上にね」
おれの馬車の扉を握りこぶして軽くノックしながらベルフェゴールに尋ねる。
笑顔で答えるベルフェゴールだが、正直屋根の上は見た人が驚くだろう。
いや、認識阻害はしてもらうわけだし、人目につきはしないか。
おれの馬車は、ワーウ家の紋章であるコウモリ、その周りにドクダミの葉をあしらったものに黒塗りといういかにも嫌われものの、というデザインになっている。
もとからあった馬車は母が事故で死んだときに一緒に壊れてしまったからと注文したらこうなった。
「馬車のデザインやばいな」
「紋章が入っているならほかは何でもいいと言ったらこうなりました。それと、一応ご理解いただけているとは思いますが、ウラタ様が普段乗るような快適さは保証しかねますのでご了承ください」
「それは大丈夫だと思う！」
ぜオルの上よりは快適でしょ、なんて快活に笑って返される。
まぁ確かに生き物の上に乗るよりは快適かもしれない。
むしろ、そうでないと困るんだけど。
我が家の少ししかない威信が消え去る。
「はよいこ！ 僕とまーしーは外に、ベルちゃんは上にいるとして、席とか決めなあかんとちゃう？」
「うらたん、ルシフの隣、今回は譲ってくれますか？」
「う……、まぁ、ちょっとくらいなら……」
まだ出発してもいないのに楽しみにしている子供のような顔をするサカタ様。
御者のスミスに馬を手渡され、シマ様とサカタ様はすぐに跨る。
やはり伯爵や士爵というのは遠征も多いのだろう。
お二方のお父上はスロープ伯爵とアイランド士爵。
どちらも騎士団長を担っているそうだし。
「ではベルフェゴール様、全員乗り込んだら認識阻害の魔法をかけていただけますか」
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のんしゅ(プロフ) - ほんとですか！？ 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (
レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)
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