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そんなことを考えていれば、背後から複数の足音が聞こえてくる。
おそらくは、援軍だ。
おれが魔力を飛ばしているのを確認した上で、助けに来てくれたんだろう。
本当にいい人たちばかりだと思う。

さて、壁を守ってくれるだけでいいのだが、無駄なことがされないことを期待しよう。


「ゼオル、どうしてくれんだ! 殺す瞬間にスタンピードを起こしやがったぞあいつ!」

『む? そんなのルシフなら簡単だろう?』

「おれは今手負いだし、半分気力で動いてるようなもんだ。普段はできても今は無理だ!」

『そうか、急いで向かう』


通信を切り、剣を握る手に力を込める。
目の前には、魔獣の大群が迫っていた。

貴族級のあいつ、マジで殺す。
こんなめんどくせぇ子としやがって。
もうおれが殺してしまったが。
舌打ちをしつつ、走ってスタンピードを後ろの魔物からどんどん斬っていく。
こいつら、一体一体は雑魚だが数が多い。
おまけに動きも速い。
そして何より厄介なのは連携だ。
こっちの動きを読んでくるかのように攻撃をしてくる。
そのせいでかなり面倒臭い。

とりあえず目の前にいる奴らを斬り捨てる。
あとどれくらい残っているのか。
一掃できるほどの魔力は残ってないし……。


「クソかよめんどくせぇッ!」

「待たせたな、我が盟友よ」


攻撃の手を止めずに毒を吐いていると、空からゼオルが飛んで降りてくる。
早くアイツラを何とかしろ、なんて言えば、そう急かすな、と言いつつ火炎魔法で一掃する。
辛うじて残っていた家の材木、それに着いていた貴族級の魔炎すら消し炭にするほどの威力。
さすが魔王といったところか。
そのまま地面に着地すると、おれの方へと歩いて来る。

傷口に手を添え、何か詠唱のようなものをした。
淡い光が傷口を覆うと、先ほどまで感じていた痛みが無くなる。
相変わらず便利な回復魔法だと思いながら礼を言う。
そんなおれを見て、彼は快活に笑った。


「笑い事じゃ……」

「王太子殿下も到着したようだぞ?」


ゼオルの言葉通り、スタンピードの向かった方から走ってこちらに来る。
制服のままで、唯一変わったことといえば腰に剣を刺してきたことくらいか。
細身の剣だからさほど場所も取らないし。
おれはそれを確認すると、小さくため息をつく。

やっと終わりそうだな。
これでようやく休めると思いながら、刀を鞘に納める。
ふと顔を上げると、もう近くに来ていたウラタ様に勢いよく抱きつかれる。

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のんしゅ(プロフ) - ほんとですか!? 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のんしゅ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年5月15日 1時

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