六話目 ページ8
幾つかの通知が見えるが、その中の一番上、最新の表示には
『宿儺の指、見つかったわ』
と云う内容。
三日前だけれど。
「太宰さん、おれ休みます」
「何処へ?」
「都市で観光へ。社長へ伝えて下さい」
「仕方無いなぁ。まぁ、善いよ」
「中島さんも『頑張って』下さいね」
嗚呼彼が今居るのは東京だったか。
近くだし、高専が在る処にでも言ってみようか、何て思う。
太宰さんに念を押して手を振ってカフェを出る。
訂正、出ようとする。
思い出したように態と立ち止まって見せ、にっこりと微笑む。
依頼者は誰だろうなぁ?リーダーでは無いだろうな、太宰さんが知っているだろうから。
ならばリーダーを知っているなら彼の部下だろうか。
男性……いや女性?
まあ良いや、近くで銃声なんざ聞きたくもない。
東京を適当にぶらついてようかな。
そんな巫山戯た事を思った過去のおれを殴りたい。
ぶらついていたら迷子に為った何て。
「笑えねぇよ、いい歳してさぁ」
しゃーない。
喰らうか。
「喰らえ」
一言発し、異能力を顕現させた瞬間、指定した範囲であるこの森全域を、一番下の地面から一番高い木の地点の間の空間を喰らう。
「今のなんだよ!敵!?二級か!?」
上半分が切れた御陰で人の声が聞こえ易く成った。
虎杖の声がする。
……うん?あれ何で虎杖居るの?
お祖父さんの敷地だったっけ此処?もしかして、呪術高専で所の敷地内だったりする?
「誰だ」
「してたなぁ……尚更笑えへんわぁ。逃げよ。『早送り』」
「あ、逃げた!待て!」
背後から足音が鳴る。
人の気配がした方向を向くと、何時かに見た五條先生、其れから顔に傷の有る人……着物を着た女性?
何だか良く解らないけれどこう云う時は逃げるが勝ちって奴だろう。
跳ねて自身に異能を掛ける。
何処をどう移動したのか、五條先生が難なく前に回り込む。
背後からは彼の女性。
彼女はそれほど速く動けない様だ。
所謂挟み撃ちという体形だ。
彼等は相当な戦闘慣れ、おれはマスクをして居るからか、おれ自体は動ける不審者に見えている筈だ。
跳ね上がると彼も着いて来る様に跳ね上がる。
「『
触った感触はないが、触れ無かったと為ると周りに見えない何かが在る事に成る。
恐らく全身に纏っているであろう其れが遅くなれば、自分は早く動けるがあれが動くのが遅くなる。
纏っている彼も遅くなってしまう。
何方にせよゆっくり出来るのだから好都合。
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