四話目 ページ6
しっかりと煽りも入れて、国木田さんとのすれ違いざまにおれに言った様な事を云う。
国木田さんの静止も聴かず、其の侭走り、川に飛び込む。
流された太宰さんを追いかけ道を走っていると、先にボロボロの服を着た白髪の少年が見えた。
彼は流される太宰さんに気付いて何かと葛藤しているように見えたが、川に飛び込み、見ず知らずの筈である太宰さんを助ける。
助かった太宰さんと一言二言話す。
「太宰さん、入水しないで下さい」
「こんなところに居ったか、唐変木!」
あとから追い付いた国木田さんが近くで太宰さんに向けて声を張る。
「___国木田くーん、志木くーん。ご苦労様ー」
「何がご苦労様だ。此れは全てお前の所為だ。この自 殺
怒ったように腕を組んで変わらずに声を張る。
隣の俺が見えて居無いのだろうか、見えているが構うまいと声を張っているのか等と、おれからすれば至極どうでも良いのだが、其れでも五月蝿いのに変わり無い。
だが然し、自分に彼を止める資格は無いのだが、静かにして欲しい何て思う。
「あ、そうだ。善い事を思い付いた。彼は私の同僚だ、彼に奢って貰えば良い」
「人の話を聴けよ!」
何て川を挟んで会話をした後、場面は変わり翌々日。
因みに、太宰さんを入水自 殺から救った彼の名前は中島敦と云うらしく、異能力は「月下獣」。
察しの良い人は気付いたかも知れないが、彼が其の区の災害指定猛獣……排除しようとしていた獣だ。
そして今は探偵社ビルの一階に在るカフェ。
其処で中島さんは彼等の前職当てゲームをしている。
中島さんは谷崎さん兄妹、国木田さんの前職を知った。
ただ、太宰さんと俺の前職は当てられて居無い。
懸賞金が懸かって居ると解った彼はむきになって目の色を変え、当てようとしている。
太宰さんの前職から。
「おれ、太宰さんの前職知ってますし、何なら会った事も有る筈ですよ。憶えているかは知りませんけど」
「済まないけれど覚えていないね」
少し記憶を探ると、嗚呼、あの包帯ぐるぐるさんは太宰さんだったか、何て下らない事に気付き、口を開く。
彼が懸賞金を欲している限り、おれは言わないが。
恐らく彼のゲームでリーダーが負けた筈なので、リーダーは賭け通り太宰さんに扱き使われていた。
となると、彼はリーダーを知っている。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ