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二十話目 ページ22
宮都Side
上司の逃亡を許した。
いやまぁそれはかまわないのだが、面倒くさいのは報告書などというくだらないデスクワークである。
そもそも、僕と立原は途中から呼ばれた上、僕に関しては雑に戦わせられただけ。
一体何を書けばいいというのか。
上司に呼び出されたので行ってみたら変なのと戦わされました、とでも?
そんなものを提出した暁には重力を扱う直属の上司に埋葬(物理)されるに違いない。
更に面倒なのは、下っ端である自分が直々に森鴎外という男の下を訪ねなくてはならないということ。
かの男に対して色々と思うところはないではないが、端的に述べるとすれば、理想的なトップ、である。
大のために小を切り捨て、組織の長であると同時に組織の奴 隷であろうとする姿を理想的と言わずしてなんと言おう。
だが、それとこれとは別だ。
上司の顔色を窺いながら報告することのなんと面倒くさいことか。
嫌われているわけではなかろうが、自分を歓迎し招き入れる人間以外の下を訪れるのには抵抗がある。
それば純粋に、自分の性質故か、なんなのか。
「やっぱり、面倒くさいですぅ」
なんて、ぼやいていないとやってられない。
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