十七話目 ページ19
其れを見て、矢張り無理か、と思う。
彼の式神は死にそうだし、彼等の扱う武器が壊れてしまう。
「あ、そうか。悪ィ」
「あっ、的を大きくしますか?」
「狙い易く、受けるダメージが大きい位の程好い大きさでお願いします」
「了解ですぅ
異能力『竹取物語』マクロ」
はっとした様に此方を振り向くリーダー。
飽くまでもおれ達は彼等がダメージを与える迄の道筋を作るだけなのだから。
『呪力が無いのに圧倒的な力、それに加えて呪術ではない不可思議な力……』
「其の知能は人間から貰ったのですか?貴方の使用する言語は独自の物ですか?貴方は世界の何なのですか?まぁ関係無いですね」
興味本位で質問攻めにしてみる。
恐らく彼れは独自の言語体制だろう。
そうなると、知能は何かを見て培ったと考えるのが妥当だ。
少し盗み聞きしたが、地球が泣いている、と言っていたから、地球の言葉が分かる……植物でも司っているのだろう。
仲間が居ると考えると、大地と海を其々司る呪いも居るのだろう。
果たして彼の二人の手に負えるのかどうか。
そもそも傷を付けられるか。
「破裂」
「なっ……!何だ、あれは。言霊?だが呪力がない……。」
腕を破裂させると、驚いた様に呟く禅院さん。
説明は面倒なので、無視する。其の侭押して行き、川につく。
此処でおれが張って居た異能力は終わりだ。
『貴方のお陰で随分行動が規制されました』
呪いはそう言って、おれの腹に拳を一発入れた。
「が……はっ……!痛っ……た」
内臓がもう一つと、咄嗟に庇った左腕が折れたのであろう激痛が体内を走る。
リーダーが此方に気付き、走って来る。
辞めろ、来るな、背後を見せるな。
嗚呼でも、リーダーの事だ、平気か。
「志木!」
「大、丈夫です」
伏黒さんと禅院さんが気付か無くて善かった。
一瞬振り向いたが、口パクで“戦え”と伝えた事が有効に働いたのだろうか。
伏黒さん、禅院さんは上手く戦えている、と思いながら、其方を見る。
すると、呪いが擦れ違い様に伏黒さんの腹に種を植える。
直ぐにそれは伸びて行く。
式神も溶け、禅院さんが伏黒さんを心配する。
其れを狙い、呪いは禅院さんの心臓を狙い、木の枝を伸ばす。
禅院さんは其れに気付き、咄嗟に左肩で受ける。
奥から人が来る気配がする。
「リーダー、今回の対象者は?」
「立原に引き渡した」
「森さんに何か言われましたか」
「不要な戦闘は避ける事」
「奥からおれ達位強い人が来る時は」
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