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ボーンボーンという時計の鐘の音で目が覚める。


さらさらのシルクのシーツから起き上がり、いつもと違う光景に一瞬驚き飛び退いた。


が、すぐに「ああそうだった」と昨日の事を思い出す。


結局あの後疲れてたのもあってすぐに寝てしまったが、大事な事は何一つ解決も出来てないし納得も出来ていない。


まず、なんで私なんかを買い取ったりしたのか。


人権的にも大丈夫なのかそれ。


私はテヒョン先輩のフィアンセでもない、愛らしい顔をしている訳でも無い、特別な何かを持っている訳でも無い。


そもそもテヒョン先輩と親密な関係にある訳でも無い。


バイト三昧の私が放課後とかにテヒョン先輩とゆっくり会話する機会があった訳もなく。


なのにどうして、こんな突然、こんなに豪華な部屋を与えられてこんな所に連れてこられるのか、意味が分からない。


うーんと考えながら、天蓋付きベッドから出る。


やはり真紅の蓮華絨毯は私の足音を静かに食べた。


誰かいないのかドアを捻って出ていこうとしたが、ドアにはなんと鍵が掛かっていた。


ガチャガチャ、と右に左に回しても開かない。


なんで鍵掛けられてんの私。


窓は大きい。街全体が見下ろせて、その先には海が見える。


だが肝心の窓の鍵はどこにも見当たらず、試しにコンコンと叩いてみた窓ガラスは分厚かった。多分防弾ガラスと言うやつだ。


他にも壁についたドアを捻ってみる。開いた先は浴室で、私の前居た部屋よりも広くて正直ビビる。


そこかしこに金箔の装飾がなされていて、シャワーヘッドまで金色の細かい模様が描かれていた。


こんなの勿体なくて使う気にならない。


浴室の先はトイレになっていて、これまた広くてたまげる。

どちらの部屋にも窓はなかった。換気扇があるのみで、部屋から出れそうな所はない。

部屋の壁にあったクローゼットを開けてみると、中は全て質の良さそうな色とりどりのワンピースだらけだった。

部屋をくまなく探してみるも、分かったことはこの部屋にあるもの全部高そう、という事だけ。

壊さないかヒヤヒヤした。だって弁償するお金持ってないもん。

ひとしきり部屋を歩き回った後で、はぁ、とベッドに腰掛ける。

壁掛けの時計は7:00を差そうとしていた。

いつもは新聞配達のアルバイトのせいで夜明け前に起きてたのに、こんな事になったお陰で今日は行けなかった。


携帯の入っていた鞄はやんわりと取り上げられて、どこかに行ってしまったので連絡もできない。

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りっとん(プロフ) - 続きが気になって全部読んでしまいました。ちなみにテスト前日です。正気ではない。 (2020年1月7日 21時) (レス) id: 80a4b20210 (このIDを非表示/違反報告)
ユン - めっちゃ面白いです!! 続き楽しみにしてます。 (2019年6月23日 17時) (レス) id: 61e4cc3c79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるちょん | 作成日時:2019年6月13日 17時

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