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「…すみません勉強なんか言っちゃって」
教室に移動してきた途端折笠は教卓に肘付き
頭を抱えた
「じ、実は…下っ端の人達怖くて…なんか言わなきゃと思った末が勉強でした」
俺が即座に殴りに行こうと立ち上がると、必死で止めてくるもんだからよ
腕を引っ張ってくるけど全然力ねェんだわ
俺が席に戻るとほっと息をつく
可愛いな
「相良さん…勉強嫌いですよね?」
「……」
一瞬バレたか…とか思ったけどよ
この見た目で勉強好きとか逆に怖ぇよな
「…でも、これだけは出来ていて欲しいんです」
折笠が黒板に書いたのは
1×1
「1×1は…」
…あれだろ、1がいっぱいできんだろ?
「11」
「…惜しいです」
智司「惜しくねぇだろ」
なんでお前いんだよ…
この最高の空間がぶち壊れるだろうがよォ…
智司「2」
「…惜しいです」
「てめぇも違うじゃねェかよ!!」
餓鬼ンときからグレてる俺らにはわかんねぇよ
まともに授業なんざ受けたことねェ
したらよ、嫌な顔しねぇでテキパキと教えてくんだよ
智司「…なるほどな、だから掛け算って言うんだな」
「はい、私の説明…どうでしたか?」
満点だろ、そういうとガッツポーズをする折笠
俺はみたいな単細胞でも理解できんのはすげぇぜ
・
「…あ、もうこんな時間だ」
時計が指してんのは5時
「まだ早いんじゃねェか」
「すみません…家帰ってご飯作らないと行けなくて」
折笠の手料理を伊藤が食ってるのかと思うとイライラする
「………送ってくからよ」
智司「ああ、そうだな」
「お前はいい」
智司「相良だけだと心配だからな」
くだらねぇ口喧嘩を止めたのは折笠の声で
「門までで…お願いしていいですか」
・
「今日は本当にすみませんでした…勉強に付き合わせてしまって」
「んな頭下げんな、勉強になったしよ」
智司「教えるの上手かったぞ」
掛け算を理解したのは今日で初めてだしな
「あ、忘れてた」
折笠はポケットから紙切れを渡してきた
「これ、私の電話番号です。良ければ教えて貰っていいですか?」
…俺は智司の背中に隠れ
急いでニヤニヤした顔を覚まそうとした
「いいぞ」
急いで書いた俺の紙切れと折笠の紙切れが交換される
「では、また!」
あいつの後ろ姿が消えた瞬間
俺の口角は上に上がろうと止まらねぇ
智司「俺も貰ったぞ」
奪い取り、俺の手には紙切れが2枚になった
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藍 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 ...ページ5のここの部分 「大丈夫ですよ、部屋に運んで起きましたから」 これ正しくは部屋に運んでおきましたから ではないんでしょうか? (2019年5月15日 17時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
藍 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 ...ページ4のここの部分 今日から一緒に住むの真司くんがいた これ正しくは今日から一緒に住む真司くんが いたではないんでしょうか? (2019年5月15日 17時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
昨日の花林さん(プロフ) - かりんさん» ありがとうございます!自分で言うのはなんですが夢主ちゃんの性格すごく好きです笑 (2019年4月4日 23時) (レス) id: d05445a796 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 凄く夢主ちゃんが尊い……泣 続き楽しみにしてます (2019年3月29日 0時) (レス) id: 652d0ef0d8 (このIDを非表示/違反報告)
昨日の花林さん(プロフ) - 諸行無常系女子さん» ありがとうございます!できるだけ多く更新できるよう頑張ります! (2019年3月23日 1時) (レス) id: d05445a796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昨日の花林さん | 作成日時:2019年3月13日 0時