13皿目 びすけっと ページ15
「Aさん、最近しっかり寝てます…?」
不意に顔を上げ、優しい顔でこちらを見た。
「くまとか出来てます?」
目を両手で隠すと、あ、やっぱりと
カップをことり、と机に置いた。
「出来てないですが、
俺の友達に、寝ないとすぐに顔に出る奴がいて
そいつと同じ顔してたんで。」
モトキさんは、
すごく周りを見る人なんだと思った。
ついでに、私も見られていることが
嬉しくて、恥ずかしかった。
「最近、カフェのことを考えるのが
すっごく楽しくて…。
料理もそうですが、
好きだからこそ熱中してしまうんです。」
あはは、と笑うとわかりますと返される。
コーヒーを1口飲んで、乾いた唇を湿らした。
「俺もですよ。
好きなことが沢山出来るようになって
楽しい反面、少し忙しくて」
なんでも出来そうな彼の弱い部分を見れたのが
単純に嬉しかった。
でも、膨れた『もっと知りたい』は
大きくなりすぎて喉で詰まってしまった。
静寂に視線がさ迷う。
咄嗟に見つけたビスケット。
私がお昼に作っていたものだった。
「あの、ビスケット食べます?」
唐突な話に目を見張った後
いいんですか?と首をかしげた。
はい、と言うと嬉しそうに笑うから
こちらまで嬉しくなった。
奥の部屋からビスケットをとってくる。
君は美味しいと言ってくれるだろうか。
彼は甘い香りのする薄いビスケットに
手をのばし、口許へ運んだ。
歯を立てるとサクッと軽快な音をたて
ほろりと崩れていく。
香る甘さが心を満たした。
「…めちゃくちゃ美味しい。」
少年のように目を輝かせて言うから
「よかった、それ私の手作りなんです。」
というと物珍しそうな顔をした。
「お菓子の手作りって
ビスケットよりクッキーが主流ですよね。」
そんなことを言いながらも
コーヒーを片手にビスケットを食べる
モトキさんが可愛らしかった。
「そうですよね。
最初はクッキーにしようとしたんです。
だけど、人と違うことがしたくて」
ニッと笑うと、
彼は意外そうな顔をしてから笑い返した。
続く (更新停止中)
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癒兎。(プロフ) - 月影さん» ありがとうございます！！長らくお待たせしてしまいすみませんでした…。前と同じようにとはいかないかもしれませんがときめきをお届け出来るように頑張ります…！ (2019年1月11日 8時) (
レス) id: 5048cf402c (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - →これからもまだまだ大変だとは思いますが、貴方様のペースで更新頑張ってください！！私は正座待機でお待ちしております！((これからの話がとっても楽しみです！！ (2019年1月11日 6時) (レス) id: 5b225cb903 (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - コメント失礼します。受験お疲れ様でした！更新される日を楽しみにしていたので嬉しいです！パスワード忘れちゃいますよね（笑）私も前書いていた時に忘れちゃったことあって大変でした（今はもう消してしまったんですけどね（汗）→ (2019年1月11日 6時) (レス) id: 5b225cb903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒兎。 | 作成日時：2019年1月11日 1時
