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コンコン、と小さくノックするが、中から声は聞こえない。静かに扉を開けると、前に来たときと何ら変わらず、涼しい顔で眠り続ける目黒と、そのお腹に突っ伏して寝息をたてる康二。
「…康二くん、康二くん！そろそろ交代しよ？」
「んぇ…らう？ぉはよぅ…俺寝ちゃってたん…？」
「おはよっ。…めめ、まだ起きないの？」
うん、とうなずいて目を擦った康二は、穏やかな寝息をたてる目黒の顔をぼんやりと眺める。その整った顔にはガーゼが貼られ、頭には痛々しい包帯が巻かれていた。
「…そっか。…康二くん、そろそろ休みなよ、昨日からずっと付きっきりでしょ？」
「ん…でも、」
「このままじゃ康二くんまで倒れちゃうよ…？ね、お願い、」
「…分かった。ごめんな、ラウール。」
ラウールの頭を撫でて部屋を出た康二の言葉にはいつもの明るさが無い。その背中を心配そうに見送ると、ラウールは椅子に座って目黒の額に手のひらを当てた。
「…熱、下がった、かな。」
前に当てたときより、幾分か冷めた額から手を避けると、脇に置かれていた氷水にタオルを浸して、ぎゅっと絞る。
額にのせると心なしか表情が和らいだ気がして、寄っていた眉間からふっ、と力が抜けた。
「…早く起きてよ。めめいないとつまんないよ…」
そう呟いても、空しく部屋に反響して消えるだけ。言葉を捕まえて、返してくれるいつもの少し低い声は、今は聞こえなかった。
目黒が、敵組織に捕まって大怪我を負ったのはほんの3日ほど前。全員でぼこぼこに相手を潰して連れて帰ってきた目黒はずいぶんボロボロで、そのうえ少し発熱していた。
その日以来、一向に意識を取り戻さない目黒にメンバー達は付きっきりで世話をしていた。熱は下がってきたのだが、意識だけが中々戻らなかった。
ラウールがぼんやりと、綺麗な黒髪を撫でていると、布団の上に置かれた長い指がピクリ、と動いた。
「!!めめ?!めめ?!分かる？」
ラウールの目が見開かれる。思わず肩を揺さぶると、ゆっくりと瞼が開いて、ぼんやりとしたいつもの瞳が覗いた。
「…ラウー、ル？俺…」
「めめ！！」
寝たままの目黒に抱きつくと、かすれた声でラウール、痛いんだけど、と言われ、慌てて離れる。
「…今日って何日？あれから。」
「３日！もー…ほんとに心配したんだよ？！めめ全然起きてくれないし…っ！」
「ふふ、ごめんって。それよりラウ、水もらえる？」
涙目のラウールが分かった！と部屋を出たのを見て、目黒は少し笑った。
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莉月(プロフ) - ゆいさん» わぁ…ありがとうございます！本当に嬉しいです！これからも頑張らせていただくので、よろしくお願いします！ (2020年5月7日 21時) (
レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - やっぱり、面白いの一言に尽きます！尊敬しかないです！これからも頑張ってください！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: bdee89e561 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - 九十九屋さん» 大丈夫ですよ〜！こちらこそ分かりやすく書いてなくてすいません。 (2020年5月3日 13時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
九十九屋(プロフ) - すいませんリクエスト停止中なの気づかなくて、しかし答えて頂きありがとうございます (2020年5月3日 13時) (レス) id: 15ce4bcc49 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - 九十九屋さん» 本当はリクエスト停止中なんです…でも私もちゃんと明記しておかなかったので、一番最後にはなってしまうんですが書かせていただきますね。リクエストありがとうございます！ (2020年5月3日 11時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2020年4月20日 16時
