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「あれ〜？あべちゃんたちどこいったんやろ…」
手に金魚が入った袋とくじのハズレの安っぽい剣を持った康二が、辺りをキョロキョロと見渡す。りんご飴をチロチロ舐めていた目黒は、うーん、と少し目を伏せて、手に提げたヨーヨーをパシャリ、パシャリと叩いた。
「阿部くんのことだから、はしゃぎすぎていなくなる、ってこと無いと思うんだけどなぁ…」
「先帰っちゃった…とか？でも連絡もらってないよね〜。どっかで涼んでるのか？」
「よっしゃ！めめ、俺と射的対決しようや！勝った方がラムネ奢りな！」
「上等！俺康二よりは銃の扱い慣れてるから。まぁ精々財布の準備しといてね〜」
そう言って射的の屋台へ向かおうとした2人の耳に待って、と呟く佐久間の声が聞こえた。振り返ると、佐久間は少し離れた屋台と屋台の間にしゃがみこんでいた。
「…これって、」
「どしたん佐久間くん…って、ラウールの、下駄？」
落ちていたのは鮮やかな橙色の鼻緒の下駄。深澤が浴衣を持ってきた時に見つけたもので、ラウールは1目で気に入って履いてきていた。
「なんかあったっぽいね、片方だけってことは。…一応連絡入れとこう。…もしもーし、ふっかさん？こちら目黒。ラウールとあべちゃんがお祭り会場で消えた。…うん、迷子、とかじゃなくて連れてかれたのかも。位置情報分かる？…はーい」
「ふっかさん何て？」
「位置情報分かるから、今送るって。で、出来るだけ早く迎えに行って、って。ふっかさんと照くんは今手離せないから、舘さんと翔太くんに連絡しとくね、だって。」
スマホの画面を暗転させると、目黒は袂にいれていた愛用しているベレッタを帯に挟んだ。
…暗い室内。浴衣姿でぼんやりと佇んでいた2つのシルエットに、またひとつ、影がかかった。
「…いいか、君たちは僕の従順なお人形だ。僕の命令には逆らうなよ。今から君たちにあるお願いをする。聞いてくれるよね…？」
虚ろな白銀と翡翠は、その言葉に機械的に跪き、頭を垂れた。
「君たちはとても強い能力者だ…誰にも負けない。ヒーローだよ。君達はこれからこの男たちを殺しに行くんだ。こいつらは悪、君たちは正義だ。殺して構わない。そうすれば、平和が訪れるんだ…良いね、こいつらを、殺せ。」
目の前に突きつけられた写真に、もはや操り人形と化した2人はこくり、と頷く。その目には憎悪がちらりと姿を覗かせた。
こちらを見つめる虚ろな目に、満足気に頷くと、男は天を仰いで笑い始めた。
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莉月(プロフ) - れんさん» わかりました！リクエストありがとうございます！ (2020年3月24日 22時) (
レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
れん - 佐久間くんの身体能力の高さに相手がハマってしまって自分のものにしようと頑張るけどメンバーのガードが硬すぎて諦めてしまうお話をお願いします。いつも楽しく見させていただいてます。これからも応援してます!! (2020年3月24日 22時) (レス) id: 0e32f06a12 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - かなさん» 了解です！リクエストありがとうございます！ (2020年3月24日 7時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - 玲雄さん» 了解です！私も読解力が無かったので…康二が危害を加えちゃう、ですね！了解です。 (2020年3月24日 7時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 康二の何かがきっかけで二人とも元に戻る的な、どこかに康二をいれていただけるとありがたいです。 (2020年3月24日 1時) (レス) id: 0c4c967d1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2020年3月11日 22時
