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「はぁ…ったく、涼太と阿部が応対したなら2人で行けばいいのに。なんで俺が尾行なんてつまんない仕事しなきゃなんないんだよ…。」
そうボヤく翔太は、黒いキャップを深く被り、目立たないように地味な格好をして駅前に立っていた。
老人からの依頼を受けた阿部と宮舘は、遠視を持つ目黒や透視を持つ翔太が適任じゃないか、とたまたまアジトで暇そうにハンモックに揺られていた翔太に無理やりキャップを被せ、アジトから追い出したのだった。
一応阿部が当てを付けていた場所や男の写真を渡してくれたし、そこに行ってみれば辺りを見回している男をすぐ見つけることができた。そこまではいい。動かないのだ、男が。
まぁ尾行とは言え、その日に目標がわざわざ犯行をしてくれる訳でもない。何も無いことは承知の上、だったのだけれど。…暇すぎる。
何か好きなことならまだしも、そこまで興味のないことに何時間も待ち続けるのは、あまり好きではなかった。何とか音楽を聴いたり、グミを食べたりしながら待つこと4時間。
待ちくたびれてもう帰ろうかな、と翔太が思い始めたころ。目の前を小さな女の子が駆けていく。何となくそれを目で追っていた翔太は、彼女が入っていった細い路地に男が跡を着けるように入っていくのを見て、思わず座っていたベンチから体を浮かせる。
「とうとう動いた…！…こちら渡辺。ターゲット動いた。女の子の跡つけてる。危ないかも知んないから俺行ってくる。」
無線の向こうで待機している阿部に声をかけると無線を切り、静かに走り出す。意外と遠かった男の背中が路地に消えて数秒、追いついた、と思ったら。路地に入ると男はおろか女の子までもがいなかった。
「っえ？俺道間違えたかな…？でも確かにここに…」
「あぁ、お前は道を間違ったわけじゃない。俺の罠にかかっただけさ。『白い悪魔』の狙撃手さん。…蒼色の目ってことはどうやら正解らしいなァ？」
後ろから聞こえた声に咄嗟に振り返って殺気とともにナイフを抜くと、後ろに見覚えのある顔の男が立っていた。能力を発動している翔太を見て、相手はおー怖い、とおどけたように両手を広げると、その掌から薄青色の霧が出始める。
「折角の大事な戦力だ。悪いがお持ち帰りさせてもらうぜ。」
その言葉が崩れ落ちた翔太に届いたかどうか。ゆっくりと閉じられた綺麗な群青色を確認すると、男は翔太を担いで路地の闇に消えた。
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莉月(プロフ) - れんさん» わかりました！リクエストありがとうございます！ (2020年3月24日 22時) (
レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
れん - 佐久間くんの身体能力の高さに相手がハマってしまって自分のものにしようと頑張るけどメンバーのガードが硬すぎて諦めてしまうお話をお願いします。いつも楽しく見させていただいてます。これからも応援してます!! (2020年3月24日 22時) (レス) id: 0e32f06a12 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - かなさん» 了解です！リクエストありがとうございます！ (2020年3月24日 7時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - 玲雄さん» 了解です！私も読解力が無かったので…康二が危害を加えちゃう、ですね！了解です。 (2020年3月24日 7時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 康二の何かがきっかけで二人とも元に戻る的な、どこかに康二をいれていただけるとありがたいです。 (2020年3月24日 1時) (レス) id: 0c4c967d1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2020年3月11日 22時
