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ラウールが小さい頃に異国船に乗せられていなくなってしまった母親だった。ラウールがまだ小学生の頃、ラウールが街で不幸にも人身売買をしていた輩に捕まってしまい、『女子』として売り物にされ港で船に乗せられそうになっていた。そこに駆けつけてきた母は「ラウール、お母さんの分まで幸せに生きるんだよ、」と言い残して身代わりとして船に乗って行ってしまったのだ。
雨の中港で1人泣いていたラウールを、偶然通りかかった照が「うちに来るか？」と声をかけて仲間に入れたのだった。
「っお母さん！！」
泣きながら走って母の元へ向かい、ぎゅ、と昔のように抱きつくと、母は優しく抱き締め返してくれた。
「お母さん、お母さん…！僕ね、仲間いっぱい出来たよ、みんな家族みたいにね、あったかくて、っ僕、幸せだよ…！」
号泣しながら話すラウールの頭を撫でると、母は昔と同じ優しい声音でラウ、と話しかける。
「…素敵なお仲間、出来たのね。良かった。…なら早くここから戻ってあげて。きっと待っててくれてるわ。私はもうこの世にいないから会えないけれど、お仲間がいるのなら大丈夫、ラウなら上手くやれるから。」
「っやだ、お母さん、もう離れたくないよ…！」
ラウールは泣きじゃくっていたが、母の暖かい手が頭や背中を撫でてくれるうち、唐突に眠気が襲ってくる。そのままラウールの意識は雲に溶けた。
「…ール、ラウール？聞こえる？」
ゆっくり目が開く。視界がぼやけて良く見えなくても、ここが家だとすぐ分かった。布団の周りを囲む顔は、それぞれ安心していたり、泣き出しそうだったりしていて、ラウールは小さく微笑んだ。
「…おはよう、みんな、！」
…もうお母さんに会うことは無いのかもしれない。でも、話していないことだって多いから。いつか、夢で逢えたら、次はみんなの話をしよう。急がなくてもいい、きっとこれからも色んなことがある。抱きついてきた8人の温かさに、涙が零れて、ラウールは嬉しそうに目を細めた。
「そういえばあの少年って何だったの？」
「研究員の能力だったみたい、ほら、新聞に載ってる。」
「…なんか拍子抜けするな、こっち大変だったってのに…」
「まぁまぁ、それより翔太、夜ご飯作るからちょっと手伝って。」
「はーい、わかった。」
Fin.
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莉月(プロフ) - れんさん» わかりました！リクエストありがとうございます！ (2020年3月24日 22時) (
レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
れん - 佐久間くんの身体能力の高さに相手がハマってしまって自分のものにしようと頑張るけどメンバーのガードが硬すぎて諦めてしまうお話をお願いします。いつも楽しく見させていただいてます。これからも応援してます!! (2020年3月24日 22時) (レス) id: 0e32f06a12 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - かなさん» 了解です！リクエストありがとうございます！ (2020年3月24日 7時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - 玲雄さん» 了解です！私も読解力が無かったので…康二が危害を加えちゃう、ですね！了解です。 (2020年3月24日 7時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 康二の何かがきっかけで二人とも元に戻る的な、どこかに康二をいれていただけるとありがたいです。 (2020年3月24日 1時) (レス) id: 0c4c967d1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2020年3月11日 22時
