Rc,10 闇は『光』を嫌い、『光』を求める ページ11
(みかん様リクエスト)
…昔から自分だけに当たる『光』が嫌いだった。
まるでスポットライトのように自分だけを孤立させる、周りの視線が嫌いだった。
『能力者』が珍しいことぐらい分かっていたし、子供心に「自分は周りから避けられている」ということくらいは分かっていて。でも、取り繕った半笑いで話しかけてくる友達やひそひそ話をしながら鬱陶しそうな目で見てくる大人たちには、甚だ嫌気が差していた。
「あの子は闇の能力者。きっと周りにいたらあの子の闇に囚われてしまう。」
いつだか遊ぼう、と話しかけようとした子の母親がその子に言った言葉がタチの悪い棘になって胸に刺さったまま抜けなくなった。
『いっそ嫌われるなら、もう誰にも関わらないでいよう』
自分は守ってくれる大人なんていなかったから、それを逆手にとって中学生位の時、逃げるように裏世界に飛び込んだ。適当に雇ってもらったバーで、しばらくウェイターとして生計を立てることにして。
一人で生きていく、はずだったんだ。
ある日、店で酔った客が暴れだして、手当たり次第に他の客に攻撃し始めた。しかも運悪くそいつは能力者で。舌打ちしてカウンターを飛び越えた、その時。
「はいはい、そこまで〜。おっちゃん、他の客に迷惑かけたらあかんで。」
立ち止まった俺の目に映し出されたのは、男より数倍小柄な青年が、手にした短剣の柄で男の後ろ首を叩いて気絶させた、という信じ難い光景だった。
「えーっと、ふーん、、怪しい組織の人とかでは無さそうやね。ほんとに酔っ払っただけなんか。あ、そこのウェイターさん、ちょっと手伝って貰えます？」
何より、青年の目は綺麗な夕陽色に染まっていて。それに見とれていると、不思議そうに首を傾げた青年がこちらをじっとみて、お、と口を動かすと、身軽な動きでこちらへ向かってくる。夕陽色がぐっと近づいた。
「っな、なんですか…？」
「お兄さん、能力者なん？」
「…まぁ。」
「俺と一緒に組んでくれへん？」
「は？」
｢いや〜、俺な、地方から出てきたんやけど、仕事のパートナー探してたんよ〜、お兄さん強そうやし！な、お願いっ！」
「…ちょっと待って。あいつ片付けてから話そう。」
片手を上げて『影の手』を出すと、男の胴に巻いて、窓の外へ弾き出す。それを見た夕陽色はキラキラと輝いた。
「何あれ！かっこええ！」
かっこいい、なんて。忌み嫌われてきた能力には無縁な言葉で。思わず見た夕陽色は、楽しそうに煌めいていた。
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莉月(プロフ) - れんさん» わかりました！リクエストありがとうございます！ (2020年3月24日 22時) (
レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
れん - 佐久間くんの身体能力の高さに相手がハマってしまって自分のものにしようと頑張るけどメンバーのガードが硬すぎて諦めてしまうお話をお願いします。いつも楽しく見させていただいてます。これからも応援してます!! (2020年3月24日 22時) (レス) id: 0e32f06a12 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - かなさん» 了解です！リクエストありがとうございます！ (2020年3月24日 7時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - 玲雄さん» 了解です！私も読解力が無かったので…康二が危害を加えちゃう、ですね！了解です。 (2020年3月24日 7時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 康二の何かがきっかけで二人とも元に戻る的な、どこかに康二をいれていただけるとありがたいです。 (2020年3月24日 1時) (レス) id: 0c4c967d1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2020年3月11日 22時
