Rc,03:翡翠色パラドックス ページ36
(美嘉様リクエスト)
…頭が痛い。阿部は読んでいた書類から顔を上げた。このところ、表でも裏でも依頼が多い。更にこのタイミングで翔太と深澤、更には康二までもがインフルエンザにかかり、1週間は任務に参加出来ない、という状況。元気なメンバーは朝から晩まで任務に当たっていたのだ。
他の5人はともかくとして、阿部に関しては他の組織との契約や任務の後始末などでずっと働き詰め。あまり休めていないからなのか、阿部の頭は悲鳴を上げていた。
「あーー…頭割れそ。ちょっとやばいかなこれ。」
机から頭痛薬を取り出して飲もうとした時、部屋のドアが軽くノックされる。
「はーい。」
一旦薬の瓶を閉めてドアを開けると、ジャケットを羽織った照がいた。
「阿部、悪いんだけど3人見てて貰えない?色々足りないもの出てきたから佐久間と目黒と買い物行ってくる。阿部なんか買っときたい物ある?」
「今は大丈夫かな。あれ、舘さんは?」
「お粥作ってくれてる。後で出来たら持ってくって。」
「了解。じゃあ今から下降りるわ。」
ありがと、と言って照がドアを閉めたのを見て、素早く阿部は頭痛薬を飲み込む。そして下に降り、和室の扉を開けると、布団を3つ並べて、3人が寝ていた。
端に寝ていた翔太の頭に手を当てると、めちゃくちゃ熱い。慌ててぬるくなった冷えピタを張り替えると冷たさでうっすら目を開けた。
「んっ……あべ?」
「そーだよ。翔太、今症状どんな感じ?」
「あたまいたい…かんせつもいたい…」
「上がっちゃったかな?1回熱測ろっか。」
体温計が表示した体温は39度4分。結構高いな…。とにかく水分補給をしてもらって、次は康二。
「こーじ?起きれる?1回水飲も。」
「う〜、、あべちゃん?おはよ…」
「おはよ。体調どんな感じ?」
「ピークは過ぎたと思うんやけど…まだ喉痛い。」
「喉か…後ではちみつ生姜湯でも持ってくるね。1回水飲んで。」
大人しく飲んでくれたところで熱を測ると、38度5分。喉の熱ってことは、長引くかもな。と経験則から思いながら、深澤の額に手を当てる。
「…あべちゃん?」
「おはよふっか。身体どう?辛い?」
「ゲホッゲホッ、俺はまだへーき。手伝うよ…」
「ふっかも病人でしょ。寝てて寝てて。」
起き上がりかけた深澤を布団に押し戻し、お粥を取りに腰を上げる。目眩がして思わず壁に手を着いた。…3人がこんな状況なのに、俺まで倒れられない。頑張らなきゃ。と自分を叱咤して部屋を出た。
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莉月(プロフ) - れんさん» ありがとうございます。2つ目のリクエスト了解しました! (2020年3月12日 12時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
れん - ありがとうございます!よろしければいつもテンションが高いさっくんを見てメンバーがほっこりしてた時に考えてみたら戦う時も同じテンションなので少し恐怖を感じてしまうみんなを見てみたいです。リクエストが多くてすいません。これからも無理せず頑張って下さい (2020年3月12日 11時) (レス) id: 0e32f06a12 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - Mikanさん» こちらこそ、リクエストありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2020年3月11日 20時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
Mikan(プロフ) - リクエスト書いてくださってありがとうございます!!とても嬉しいです!これからも楽しみにしています! (2020年3月11日 20時) (レス) id: 320e7590ff (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - れんさん» 了解しました!今のリクエスト書き終わったらかかせていただきますね! (2020年3月11日 11時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉月 | 作成日時:2020年3月5日 0時