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「子供のお守り?」
宮舘が作った昼食のパスタを口に運んでいた渡辺は、聞きなれないその単語に顔を上げた。
「俺らが?子供のお守り?」
そう聞き返す渡辺に、阿部は苦笑しながらそうだよ、と返す。
「…何か裏ありそうってとこ?」
「まぁそんな感じ。舘さんが見てた限りだと、嘘はついてなかったみたいだけど。」
「嘘はないけど隠してるってか…面倒くさっ。…まさか阿部、俺に行けとか言わないよね?」
「後でみんな集まったら誰行くか決めるよ。裏ありそうだから他も何人かはアジトで待ってて貰わないと、かな。」
「ふーん。まぁいいや。」
「それより翔太、口にミートソースついてるよ」
「え、嘘」
…数十分後
「はい、ってことで、行くのは翔太、ふっか、ラウールで良い?」
ホワイトボードに書かれた名前に、渡辺はため息をつく。
「なんで俺が…」
「だって他の人みんな別の依頼があったり、予定があったりするからしょうがないでしょ。でも、俺と舘様と照はこっちで無線待機してるから。」
阿部がそう言うと、ラウールが不思議そうに首を傾げた。
「でも…お守りだけなんですよね?なんで無線?」
「あ〜…なんか今回の依頼人、裏がありそうなんだよね。普通お守りなんて何でも屋に頼まないでそういう施設とかの人に頼むでしょ。それに、なんか挙動不審だったし。」
「裏ねぇ…まぁ、明後日だっけ?とりあえず行ってみてのお楽しみ、ってとこか。」
深澤がそう言うと、阿部が頬杖をついてうーん、と唸る。
「どしたのあべちゃん。なんか歯切れ悪いね。」
「いや、なんかさぁ…最近暴力沙汰起こしてるあのグループとなんか関係してるのかなってちょっと思ったんだよね…あそこ金融的なこともやってるでしょ、だから、」
「借金取りに追われてるってこと?ありえない話じゃ無さそうやけどね。」
向井がそう言うと、目黒もあそこ結構やばいらしいっすね、と相槌を打つ。
「でも可能性はかなり低いよね…」
「まぁ考え込んでてもしょーがないって!みんな一旦休憩にしよーぜー!」
考え込み始めた阿部を他所に、ほかのメンバーは佐久間の一言をきっかけに思い思いの所へ散らばっていく。1人残された阿部の脳裏に、焼き付いた婦人の言葉。
「『息子を守ってほしい』かぁ…」
考え込む阿部の綺麗なダークブラウンの眼に、翠色がちらついた。
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莉月(プロフ) - れんさん» ありがとうございます。2つ目のリクエスト了解しました! (2020年3月12日 12時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
れん - ありがとうございます!よろしければいつもテンションが高いさっくんを見てメンバーがほっこりしてた時に考えてみたら戦う時も同じテンションなので少し恐怖を感じてしまうみんなを見てみたいです。リクエストが多くてすいません。これからも無理せず頑張って下さい (2020年3月12日 11時) (レス) id: 0e32f06a12 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - Mikanさん» こちらこそ、リクエストありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2020年3月11日 20時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
Mikan(プロフ) - リクエスト書いてくださってありがとうございます!!とても嬉しいです!これからも楽しみにしています! (2020年3月11日 20時) (レス) id: 320e7590ff (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - れんさん» 了解しました!今のリクエスト書き終わったらかかせていただきますね! (2020年3月11日 11時) (レス) id: 3ee94531f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉月 | 作成日時:2020年3月5日 0時