俺を俺だと認めてくれたキミ (ページ7)

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１０分後

A「よし！ありがとうね、キミ！」

悠人「別に(やらせといてか)」

行こっか、と言った彼女はスキップをして、楽しそうに歩いている。

ホントにこの人何がしたいんだろ汗

そう思いながら歩いていると、彼女は口を開く。

A「キミの名前、何て言うの？」

“名前”

悠人「知ってるでしょ？俺は新開隼人のおとu」

新開隼人の弟、みんな知ってるでしょ？

そう言おうとすると、その言葉は彼女の人差し指によって塞がれた。

A「違う、キミはキミでしょ？私はキミの名前を聞いてるの」

俺の唇に触れていた彼女の人差し指が離れる。

悠人「俺の名前...？」

A「うん、名前あるよね」

悠人「うん、ある」

A「じゃあ教えて？私はキミの名前を聞きたい。キミの声で」

悠人「悠人...新開悠人...」

自分の名前のはずなのに新鮮な響きがする。

A「悠人って言うんだね」

そう言って笑う彼女は、

うんうん、と一人で納得している。

悠人「キミは...？」

A「私？私は東堂A...」

少し、視線を下に落としたように見えた。

悠人「Aか...」

A「うん」

返事をしたAは再び歩き出す。

A「あ、ねぇ週末暇？」

悠人「へ？うん、まあ」

A「じゃあ、悠人と私で海に行こう！」

悠人「海？」

A「うん、ダメかな？」

悠人「別にいいけど何で俺？」

A「私がキミといたいから」

そう言ってにっと笑うAは夕日によく映えた。

悠人「わかった」

まだ全然Aのことをわかった訳じゃないけど

”悠人“と、呼んでくれたAとなら

少し、一緒にいてもいいかも知れない。

そう思った。

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悠人くんは同級生の女の子の二人称何なんでしょうか...。