嫌いっぽい？【Fischer's】 (ページ2)

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変わり過ぎな奴ページ2

「______好きですっ……！」

「……そう、私は嫌い。」

登校中、嫌なことを思い出した。
思い出したくもない、つい最近の出来事だ。

私、A Aはつい最近、クラスメイトである
とある男子生徒に告白をされた。
最初は驚いて言葉も出なかった……そして最後に
口から出てきた「嫌い」という言葉。

別に私は、彼が嫌いだったわけじゃない。
まず、好き嫌いで判別したことがなかった。
私の脳内に、彼という存在は
「何処かの国とのハーフであるクラスメイト」
としか、インプットされていなかったのだ。

それが何だ、急に私に思いを告げてきて。
良い意味でも悪い意味でも衝撃的過ぎる。

戸惑った私の口から最終的に出た返事は「嫌い。」

言ってしまった後には悪いことを言ってしまったと深く反省した。
次の日に謝ろうと決意したのだが、これまた衝撃的なことが起こったのだ。

次の日、彼は全くもって落ち込んでいなかった。
寧ろ前より生き生きとしているような気もする。
今まで同じクラスだと言うのに会話すらろくにしたことのなかった彼は、私が
彼をフッた次の日になんと挨拶をしてきたのだ。

風の噂で、彼は少し変わっているとは聞いていたが
まさかここまでだとは思わなかった。
普通、少し気まずくなるものなのに。

やはり、今になっても私には彼が分からない。

しかも、最近はストーカー染みたことをしてくるようになった。
「若干怖い。」というのが本音である。

「お、おはよう！偶然だな、A！」

ほら、今日も来た。

最近はいつもこうだ。

毎日毎日、この曲がり角で待ち伏せをしては
偶然だと言い張り、私の左を歩いてしつこく話しかけてくる。

「……うん、おはよ。」

正直に言おう。

こういう奴は苦手だ。
馴れ馴れしいし、気持ちが悪い。

好意を寄せてくれるのは構わないが、こう付き纏われると鬱陶しい以外の何者でもない。

「なぁ、A______」

彼が話に夢中になっている間、バレないように
そっぽを向いて小さくため息をついた。