ゆるくて甘い、藤井先輩。

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望「Aちゃん、行くで〜」









「あ、はい！」









放課後、望先輩が迎えに来てくれた。


望先輩と並んで歩く。









「どこ行くんですか？」









望「俺、姉ちゃん居るんやけど、
もうすぐ誕生日やねん。

んで、プレゼント買おうと思ってんけど、
Aちゃんに手伝って欲しいなって」









なるほど、そういうことか。

優しい弟さんやな〜。









望先輩とプレゼントを選ぶ。


これがええかな？

んー、こっちかな〜？


なんて悩んでる姿を見てると、
ほんまにお姉さん思いなんやな〜って
微笑ましくなる。









望「あ、見てこれ。Aちゃんに
似合いそう」









そう言って望先輩が手に取ったのは、
青のリボンのバレッタ。









「可愛い。でも…、似合いませんよ〜」










リボンなんかあんま付けへんし。



藤井先輩はこういうの付けてる人のこと
可愛いとか思うんかな〜。









そんなことを考えていると、望先輩は
お姉さんのプレゼントを決めていた。









望「今日はありがとう」









「あ、いえ、私何にもしてなくて…。
すみません…」









望「いやいや、ひとりで入んの勇気
いるから、Aちゃん居ってくれた
だけで助かったで？」









やっぱり望先輩はかっこいいな〜。

って思ってても私の頭の中は
こうしてても藤井先輩でいっぱい。









望「これ、お礼」









望先輩が私に差し出したのは、









「あ、これ」









望先輩が似合いそうと言ってくれた
青のリボンのバレッタ。









望「それ付けて、流星とこ行ってみ」









なぜかそう言う望先輩は楽しそう。









「ありがとうございます」









望「ん、じゃあまた明日〜」









望先輩は手をひらひらさせて、
かっこよく帰って行った。






この時の私にはまだ分からなかった。
次の日に、あんなことになるなんて…。








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