僕が生きる意味。 ２ 〈翔 和〉

意味 ３０ 和サイド ページ11

昨日から始めた工事のバイト。


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ただ単に、時給が高かったから。


でも、やっぱ時給が高いだけにキツイ...


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「二宮ー。そこのコンクリートこっち持って来てー。」


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新人で年下なのもあって雑用もしばしば。


僕の体は悲鳴をあげている。


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和也「...ふぅ。」


体を伸ばそうと視線を上げて周りをみると、こっちをみてる1人の少年。


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和也「しょう...」


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嘘、何でこんなとこにいるの？


慌てて目をそらして作業に戻る。


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和也「何で...」


僕が今1番会いたくない人なのに。


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今会ったら...


絶対、文句言われると言うか...


怒られるというか...


とにかく、今は会いたくない。


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どうせ、退学届のことで来たんでしょ？


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「二宮ー。今日はもう終わっていいぞー。」


うげ。


タイミングの悪い時に終わった。


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でも、昨日の夜からやってただけあって、もうフラフラ。


隅に行って、座り込んだ。


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翔「かずっ！」


そしたら案の定、翔が来た。


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逃げるように向こうへ行こうとする。


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でも、ヘトヘトの僕は逃げられないわけで。


腕をぎゅっと掴まれた。


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和也「離してくださいっ！」


僕も必死で抵抗。


翔「何でだよっ。」


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和也「いいからっ...もう、来ないでくださいっ！」


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翔「....和。俺、なんかした？」


急に声が弱々しくなって、翔の顔を見た。


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和也「え...？」


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翔の大きな目には、涙が溜まっていた。


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思わず、抵抗するのをやめた。


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翔「俺、何か避けられるようなこと、した？」


違う。


翔は、悪くない。


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和也「翔は何もしてないです。てゆーか、ただ僕が...」


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翔「ぼくが？」


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和也「と、とりあえず場所変えましょ。」


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僕はぱぱっと着替えて、翔の腕を引いて、家に向かった。


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