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結論、診断は風邪だった。
医者ですからもちろんわかってますよ。
解熱剤と咳止めの薬をもらっておとなしく家に帰る。
さすがに二連休は避けたいのでなんとか今日中に熱を下げたい。
和室に敷きっぱなしだった布団に横になると左から遺影の両親が微笑みかけてくる。
ここに連れてくると康二が「なんか落ち着く」と言う気持ちがちょっとわかる気がした。
ああ、父さん母さん、早く元気に治してください。
なんてったって、俺は長男なんだ。
「…にき、あにき」
「ん〜…」
「起きて。薬飲も」
とんとん、と強めに肩を叩かれて目を覚ます。
寝起き特有のだるさはあるけど、目の前はちょっとすっきりして見えた。
涼太が持つ盆に乗っている器からは嗅ぎ慣れた匂いがして。
いや、いつもは食べさせる側なんだけど(笑)
「薬食後でしょ？食べるだけ食べて」
「ぁ〜い…」
「あーんする？」
「えっ」
平然と言ってくる涼太に驚くも、本人はすました顔をして俺を見てる。
え、これ普通？俺がおかしいの？
「いいです…」
「はいはい、じゃあ食べて(笑)」
丁重にお断りしてレンゲを持ち、ほかほかの雑炊に手をつける。
たまごとネギだけのシンプルな優しい味。
康二がこれ、大好きなんだよ。
「ごめん、限界だわ」
「全然。薬飲んでまだ寝ときなよ」
「わかったぁ…。悪いな」
「ん、なにが？」
少し中身の残った器を片しながら涼太が布団を整えてくれる。
仕事休ませてごめん、と続けると小さく笑ってピンとでこを弾かれた。
いや、痛いし。手加減しろ。
「家族なんだもん、当たり前でしょ。俺もやることあるしもっかい寝なよ」
「はぁい……ありがとな」
「うん」
俺が薬を飲むまで見届けた涼太が荷物を持って和室を出ていく。
ふと思い立って、よけられたグレーの毛布に手を伸ばした。
一緒に洗っているはずなのに、なぜかふわっと甘い香りがするブランケット。
今日は弟たちの優しさに、甘えてみちゃおっかな。
小さなそれを胸元にかけて、もう一度目を閉じた。
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s - このお話が大好きなのですがまたこのお話を再開する予定はありますでしょうか？先ほども言ったようにこのお話が大好きなのでまた書いてくださったらいいなと思いコメントをさせていただきました。ご検討のほどよろしくお願いします (9月13日 22時) (
レス) @page29 id: 3bb6fa2af0 (このIDを非表示/違反報告)
森乃(プロフ) - Cyamuさん» (続) 読み手の皆様に想像しながら楽しんでいただけたらいいな、と想っております。わかりにくさはこちらの力不足ですね…💦検討してみます！ (2022年1月8日 13時) (レス) id: 1f323a239b (このIDを非表示/違反報告)
森乃(プロフ) - Cyamuさん» お読みいただきありがとうございます🙇♀️本作ではお話の途中で誰視点かは確実にわかるような構成を心がけており(名乗らせる、兄弟の名前を呼ばせるなど)あえて視点先を書かないことで、 (2022年1月8日 13時) (レス) id: 1f323a239b (このIDを非表示/違反報告)
Cyamu(プロフ) - 作品に口を挟む形になって申し訳ないのですが、誰seedか付けていただけると誰目線なのか分かりやすくなると思います💦凄いいい作品で表現が素敵なだけに誰目線か分かるとより感情を寄せる事ができるかなとちょっともったいなく思ってしまいました。 (2022年1月8日 13時) (レス) @page38 id: 6e8ef04be9 (このIDを非表示/違反報告)
森乃(プロフ) - あさかさん» あさか様、以前にもコメントをくださったんですね…！いつもお付き合い頂き本当にありがとうございます🙇♀️ (2021年12月19日 21時) (レス) id: 1f323a239b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森乃
| 作成日時：2021年12月2日 22時
