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仕事帰り、
遅くなったなと少し疲れた息を吐いて帰路に着くと、着く直前、家の前で壁に寄りかかる人影が目に映る。


「ユリカヌナ!!」


数ヶ月ぶりに聞くヒョンジナの声。

数ヶ月ぶりに見るヒョンジナの姿。


『ヒョンジナ…?

何してるの?』


「ヌナから返信も来ないし、電話も出ないから…


こうでもしないと話せないと思って…」


『だからっていつ会えるかも分からないのに、
なんで…』


「それなら、会えるまで待つつもりだった。

今日はヌナに会うまで帰らないって決めてたから。」


街灯しかないこの暗がりでも分かる、
私の好きだった意志の強い瞳。

この目で見つめられると私は弱い。

でも、

『…ヒョンジナ、私たち別れたでしょ?


もう話すことはないよ。』


「自分勝手だって分かってる。
でも、もう一度話せないかな?」


ゆっくりと近づいてきたヒョンジンに
右手をそっと握られる。


『離して、ヒョンジナ。』


「嫌だ…ヌナが話すって言ってくれるまで離さない。」


『わがまま言わないで…』


『どうしてもダメ…?』

帽子は被っているものの、
顔は何も隠さず、変装はしていない。

久しぶりに見るヒョンジンは
少し見ぬ間に、更に痩せたように感じる。

というか、顔色が良くない。


『最近寝れてない?』


「どうして?」


『目の下…隈があるから。

それに痩せたし。』


「うん…少し寝れてないし、疲れてる。」


『じゃあ、尚更、家に帰って休まなきゃ。

ここにいたらもっと疲れちゃう。』


「嫌だ…
ヌナと話すことの方が大事。

お願い…

俺を拒まないで…」

今にも消えそうな雰囲気。
幼い君と出会った日以来、こんなに弱った姿を見た。

こんなヒョンジナを1人にできるほど、嫌いになれていなかった。

…拒めなかった。

ダメだと分かっているのに、放って置けず、
その手を掴んでしまった。

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作者名:チビ丸 | 作成日時:2023年11月14日 18時

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