22（hj） ページ22
ジウンはヌナとは何もかもが正反対だった。
頼ってくれるところも、連絡をたくさんくれるところも、嫌なことがあると俺を頼って泣くところも。
ヌナは俺に心配かけまいと、頼ることを控えていたし、俺の前で泣いたところもほとんど見たことがなかった。
連絡だって俺のペースに合わせて、控えていてくれていた。
そんな優しさに慣れきってしまって、
なんで、ジウンみたいに頼ってくれないのか、
連絡してくれないのか。
それに…嫉妬してくれないのか。
そんな不満に変わっていった。
思えば、それは俺を本当に大切に思っていたからこそのヌナの優しさだったのに。
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「明日は、時間通り会えるよね？」
『うん。大丈夫だよ。』
「久しぶりに会えるから楽しみだね〜」
久しぶりにユリカヌナに会う日。
昨夜嬉しそうな声を聞いていたのに。
待ち合わせの直前、ジウンから泣きながら電話が来て、
俺は本当に最悪の選択をしてしまう。
「オッパ、今すぐ会えないかな…？」
本当はもう待ち合わせ場所に向かわなきゃいけない時間だった。
ジウンは俺がいないと可哀想だから。
ヌナは1人でも大丈夫だから。
そんな自分本意の考えでまたヌナを蔑ろにした。
急いでヌナに今日は行けなくなった旨のメッセージを送りジウンのもとへ向かう。
それから、ユリカヌナと会っている時も、
電話をかけてきたジウンを優先した。
ヌナと一緒にいるのに、ジウンとのやり取りに夢中になって携帯ばかり見た。
変わっていく俺にヌナは気づいていた。
それでも何も言わなかった。
俺はヌナの苦しさや悲しい目には気が付かず、
ジウンを構うことへ夢中になっていった。
ヌナにはリノヒョンもメンバーだっているでしょって。
頼ってほしいと俺が言ったのに、
聞いてほしいことがあると言ったヌナの言葉も話半分で聞いて、大した返答もしなかった。
ますますヌナは俺に何か話すことは無くなって、そんなヌナにまた苛立って、当てつけのようにジウンを大切にした。
それは俺がヌナにしてあげたいことだった。
勘違いしていた。大事にしなきゃ行けない人を。
それに気づかないまま、
俺は愛していたユリカヌナを手放した。
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作者名：チビ丸 | 作成日時：2023年11月14日 18時
