僕の「특」 (ページ21)

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ある大きな音楽番組の授賞式の後、
労いの場と称したパーティーが行われていた。

一緒に来ていたヨンボガとビニヒョンはそれぞれ他のチームの友人のもとへ行き、時間を持て余していた。
お酒でも飲んで凌ごうかと、1人バーカウンターへ向かった時、聞きなれない声が、自分の名前を呼ぶ。

「ヒョンジン先輩！」

振り返ると音楽番組以来のジウンさんだった。

『ジウンさん、久しぶりだね。』

「お久しぶりです。

今、お一人ですか？」

『うん、そう。
一緒に来てるメンバー、友達のところに挨拶行っててさ。
お酒取り来たところ。

ジウンさんも1人？』

「はい、1人です。

私、アイドルの友達いなくて…」

『メンバーの方は？』

「実は、メンバーとも練習期間もあんまり被っていないから上手く馴染めなくって…

1人になることが多いんです。」

『…そうだったんだ。』

俺らはメンバー全員、本当に仲が良い。
第二の家族と言えるくらい。

とは言え、思春期のアレコレで最初はハニとも大変だった時代もある。

メンバーとうまく行くかどうかは宿舎の共同生活もあるし、本当に重要で。

馴染めないと俯くジウンさんを他人事とは思えなかった。

『じゃあ、俺が友達になるから、
もう1人じゃないね。』

口走った言葉に自分自身も驚いたが、放ってはおけなかった。

「！！

ありがとうございます！
嬉しいです。」

その日を境に、ジウンから頻繁に連絡が来るようになった。

素直に頼ってもらえる日々はヌナとは違い、新鮮だった。

相談を聞いているうちにだんだんと親しくなり、気付いたら、オッパと呼ばせるくらいには気を許していた。

最初は本当に後輩を思う心配からだったけど、
いつし頼ってもらえることに、優越感すら覚えた。