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『最近、ユリカに会ってる?』
携帯を柔らかい表情で見つめているヒョンジンにそう問いかけると、動きがぴたりと止まった。
「あー…ヒョン、別れたんだ。」
『は…?』
前は暇さえあれば、ユリカ、ユリカと俺にうるさかったヒョンジン。
ここ2ヶ月、そのノロケを聞いていなかったなと気づき、
ふと聞いてみると返ってきた言葉に愕然とした。
他のメンバーも様子のおかしな俺らに気づき、
様子を伺っている。
『いつだよ。』
「1か月前くらい…」
『お前、返答次第ではぶん殴るけど、
何で別れた…?』
「…好きな子ができたから、俺から言った。」
気まずそうに下を向く、ヒョンジンに
俺は掴みかかった。
『顔を殴らないだけマシと思えよ。』
少しだけ残っていた理性と
アイドルとしての尊厳が、握った拳を押し倒したヒョンジンの顔をかすめ、ギリギリで床に振り落とされた。
吐き捨てた言葉に、何も言わないヒョンジン。
俺が、あの子をどれだけ大切にしていたか
アイツも重々知っていたはず。
メンバーもユリカと長いこと面識がある分、何も言えずに、こちらを見ていた。
チャニヒョンがそっと俺の肩を抱く。
この意味は何も言わず、伝わった。
俺がずっと好きだったあの子を
横からかっさらって、知らないうちに捨てていたヒョンジンを許せそうになかった。
その気持ちを見透かされたんだ。
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作者名:チビ丸 | 作成日時:2023年11月14日 18時