僕の「특」 (ページ18)

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ある音楽番組、
あっ、ヒョンジン先輩と声がしたので振り返ると、この前助けてくれた女の子だった。

『この前はありがとう。

ろくにお礼も言えず、ごめん。』

「いえいえ、もう体調は大丈夫ですか？」

『ああ、もう大丈夫。』

同業者だったんだ。

整えられた化粧や髪型、衣装からアイドルであることはわかるが、さほどヨジャアイドルに興味もなく、同じ事務所のアーティスト以外あまり覚えていなかったため、名前が出てこない。

『助けてくれた上で失礼で申し訳ないんだけど、名前聞いてもいい？』

「Cherry blossomのジウンです。」

『ジウンさんか。

俺は、』

「知ってます！
Stray Kidsヒョンジン先輩ですよね！」

食い気味に答えてくれる姿に、
更に申し訳なくなる。

『ごめん、知ってくれてるのに。』

「いえ、いいんです。まだ売り出し中ですし…

あの、これも何かの縁ですし、先輩に頼れる人もいなくて…
良かったら連絡先、聞いてもいいですか？」

『あー、えっと…』

ダメですか？なんて念を押される。

助けてくれた上に名前も知らない、更には連絡先も断るなんて失礼すぎて、なんとなく断りづらい。

ユリカヌナもいるし、断りたかったが、
お礼もしなければいけないし、まあ良いかと判断力がいつもより鈍る。

それからお礼として連絡を入れた以降、
特に連絡を取ることもなく、ジウンの存在自体思い出すこともなかった。