僕の「특」 (ページ11)

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朝起きるとミノはいなくなっていた。

ひどく泣いたせいか、目が腫れているのが鏡を見ずともわかる。

ベッドに寝ているということは、ミノが運んでくれたんだろう。

別れてからあんなに泣けなかったのに、
ミノに抱きしめられた瞬間、もう我慢しなくていいんだよって言われているようで、涙が止まらなかった。

幼い頃からそうだった。
私に何か嫌のことが起きると、真っ先に手を差し伸べてくれて、誰よりも味方でいてくれた。

ミノの優しさを思うとまた、じわっと目尻が滲む。

泣いてばかりじゃいけない。
少し乱暴に目元を拭い、携帯を手に取ると、
また今日も会いにくるというミノからのメッセージが目に入る。

大人気アイドルの多忙さを知らないわけじゃない。
２日も合間を縫ってきてくれることがどれだけ貴重か、ミノとヒョンジンを間近で見てきたから知っている。
知っているからこそ罪悪感を覚え、今日は来なくても大丈夫と返信をすると、すぐに電話がかかってきた。

「おはよ。今日も予定ないんだろ？

それなら会おう。」

『来なくても大丈夫だよ。ミノ、忙しいじゃん。
...無理して身体を壊してほしくない。』

「無理してないし、俺がユリカに会いたいの。

俺に会うの、嫌？」

嫌なわけがない。
1人で過ごす夜より、ミノと過ごす夜の方が比べるまでもなく心地が良い。

それに今は、1人の夜はどうしても、消失感で心細くなる。

『…ううん。嫌なんて思ってない。

でも、、』

「もう、いいから。
俺が会いたいって言うわがまま、叶えてよ。」

ずるくて優しいわがままに、私はもう頷くしかなかった。