僕の「특」 (ページ2)

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そこからしばらく記憶がない。
というのも、体に鞭打って
思い出して泣くこともできないくらい、仕事に忙殺されていたからだ。

でも、久しぶりにそれを思い出さなきゃいけなくなりそう。
電話の表示名に少しため息をついて『もしもし…』とつぶやいた。

「おい！ユリカ
お前なんで言わないんだよ。」

開口1番不機嫌そうな声に再度ため息をつく。

『ごめん…ミノ
どうせ、ヒョンジンから聞くと思ってたから。』

「聞いたの昨日なんだけど。
別れたの1か月前だって！？」

『え？そうなの…？
毎日会っているから知っていると思っていた。』

同じグループ内。
他のアイドルと比べても、一際仲の良い彼らのことだ。
こういった話題は共有していると思っていた。
それに、私はアイドルになる前からヒョンジナと付き合っていたから、メンバーとの面識もあったし。

「皆驚いてた。
お前たち、すごい仲良かったから。」

『私は少し前からこうなるって思ってたけどね…』

「は…？」

『ううん。何でもない。
ミノにも言わなきゃと思ってたけど、言葉に出したら泣いちゃいそうで…
言葉にもしたくなかった。
もうヒョンジンと会えないって考えたくなかった。』

「…。
今日、お前んち行くから。」

『…いいよ。忙しいんだからちゃんと休みなよ。』

「いいから。22時くらい行くから。
家いろよ。」

『…分かった。待ってる。』

こうなったミノは止められない。
幼いころから一緒にいる幼なじみは恐ろしく過保護なのだ。