story ６１ ページ11
ロディアーナは自身の唇にセブルスのを重ねた。
しばらくし、それは離れるが、セブルスは驚きで口をパクパクさせるだけであった。
ロディアーナ「もう一回する？」
ロディアーナは返事を待たずに、もう一度唇を重ねた。
しかし、今度はセブルスも慣れたようで、彼は腕を彼女の腰に回し、距離をさらに縮めさせた。
近くの生徒が目を丸くする。
ロディアーナ「私、今とても幸せよ」
ロディアーナが静かに言った。
ロディアーナ「確かに子供は失った。でもちゃんと見て。今はあの時よりも平和なのよ」
セブルス「...」
ロディアーナ「私、貴方を責めたりなんかしない。貴方について行くことを悔いたりしない。私は心の底から、貴方を愛しているの」
セブルスはただ、ロディアーナの手を握りしめ続けることしかできなかった。
少し暖かい風が二人を包んだ。
二人は幸せな気持ちで満たされていた。
しかし、そんなものは長くは続かなかった。
悲鳴が上がる。
ロディアーナとセブルスは、その方向に目を向けた。
ロディアーナ「ハリー！それに...セドリック！」
ハリーは疲れで床を這うような態勢になっており、一方セドリックは仰向けになったままぴくりとも動かない。
ロディアーナは急いで二人の元へ駆けた。
ロディアーナ「ハリー、何が合ったの！？」
ハリーは泣いていた。
ハリー「ヴォルデモート！ヴォルデモートが...奴が帰って来た！」
皆の顔からさっと血の気が引いた。
ロディアーナ「嘘でしょう...？」
ハリー「本当だ！奴は復活した！セドリックが殺されたんだ！」
そこへ、エイモスが叫びながら人を掻き分けやって来る。
エイモス「どいてくれ！私の息子なんだ！私の息子...大切な息子なんだ！」
会場はパニックで溢れていた。
ダンブルドア「ハリー、セドリックはもう」
ハリーはセドリックにしがみついたまま動かない。
ハリー「嫌だ！離さないで！」
ダンブルドア「ハリー、ハリー」
ダンブルドアがハリーを力強く引っ張る。
ハリーがわっと泣き叫んだ。
ムーディ「ハリー、俺の部屋に来い。おまえの話が本当なら、おまえは今ここでも狙われているのかもしれん」
ムーディはハリーの腕を引っ張り、人混みの中へと消えて行った。
ロディアーナ「あぁ...そんな...」
青白い顔をしたセドリックは、ロディアーナにベテルギウスの死を思い出させた。
『出てきた...頭が出てきた...』
ロディアーナは青ざめた。
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作者名：そう | 作成日時：2021年9月20日 11時
