…dim ページ10
「___おわっ……たぁああ……はぁ。」
そう言いながら凝り固まった背中を伸ばすと、軟骨を食らっている時のような音が聞こえた。
今は、ようやくRUMの指示で行ったあの場所のデータをまとめ終わったところである。
「…秘蔵っ子データとかあると思ってたのだけれど、ほんとうに取りこぼしと言うようなデータばかりだったし。
うーん…何が目的なんだろう。」
「口から出てますよ、カルーソー。気を抜きすぎでは?」
「あら、ごめんなさいね。
手伝い助かったわバーボン。あとは私がやっておくから休んできなさいよ。」
まだコイツと一緒である。早く出ていってくれないかなぁ。データの中にある別のデータに気づいたから開けたいんだけど、これまた厳重だから時間がかかる。
しかも今やってしまうと、彼に手の内を明かすようなものだ。難しい。
「いえ、まだ動けますから。」
「じゃぁ一旦休憩にしましょうか。」
言葉をミスった、と反省している。まだ仕事があると言わなければよかった。
でもまだあるんだよな。秘蔵っ子の方じゃなくて普通のやつ。報告書も書かなきゃだし。
「はい、どうぞ。」
「ありがとうございます。」
「どうせ話題もないことだし、ちょっと質問したいのだけれどいいかしら。」
ティーカップに視線を向けたまま、正面に座る彼に問いかけた。おそらくすごい速さで何を尋ねられるか考えているのだろうな。
「えぇ、構いませんよ。」
何の雰囲気も変わらない、いつも通りの彼である。ただ、少し__確実に意図的に__ほんの一瞬身構える姿勢を見せた。んー、策士だなぁ。
私が質問することなんてほとんどないものだから。この反応をしていないと、動揺していないことになってしまう。
本当に動揺していてもおかしくないのだけれど、質問される時に動揺していたらこの組織では"お話"にならない。
よって、結論は意図的…ってわけ。
それはそれとして。
「仮に、組織が警察組織に狙われているなら…今まさに突入されるとしたら…あなたならどうする?」
「それはNOC…と言うお話で?」
おっと、別にあなたがNOCか疑っているわかじゃないだけど。
「普通にセキュリティの質問よ。
私はデータ管理を任されているのだから、全体を見れそうなあなたに少し聞いておくべきかなって思ったのよ。」
別に私は構成員がNOCかどうかを疑って回るような人ではない。さっきの…すこし説明下手だったな。
終わり ログインすれば
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あまね(プロフ) - めちゃ好きです!ありがとうございます! (4月22日 10時) (レス) @page10 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小波優凛 | 作成日時:2023年12月3日 20時