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「なんかもう、そう言われちゃうとそうとしか見えなくなってくるよなあ…。」
「まぁ7年、4年ってそこそこ前だしな。
俺と違って萩はしっかり顔見てねーだろ?」
「え,何。じんぺーちゃん顔しっかり見てるわけ?」
「いや、お前よか見てるって話。
んなガン見したわけじゃねーよ。」
ガン見してるのかと思った…まぁそうだよね、仕事優先だもんね…とぶつぶつ呟く萩原。
話を聞いて本気で思い出してみようとしているが、なかなかどうにも帽子を目深に被っていたため顔立ちは思い出せない。
「背格好はわかるんだけどなあ…。」
「…耳。」
「え?耳がどうしたの?」
「耳は変装でもそうかわらねぇ部分だ。Aも自分でそう言ってた。」
自分でヒントを与えてしまうなんて、と思うがまだ断定はできないためふりはらう。
仕事の種を明かしていいのか、と聞いたこともあるが犯罪対策にはもってこいだろう、といい笑顔で教えられてしまった。
普通なら尋問なりなんなりで聞き出すところを、普通に答えてくる。
一課としては複雑な部分だ。
「直接聞いたらいいんじゃない?」
「いや答えてくれるわけねーだろ。」
「それもそうか。」
しばらく沈黙が続く。
長年一緒にいる2人なので特に気まずいとかはない。
「そういえばじんぺーちゃん。」
「ん?」
「昔、Aって同じ名前の子いなかったっけ?
なんか呼び覚えあるから、つい下の名前にちゃん付けしちゃってたんだけど。」
「それ普通俺に聞くか??
いたとしても覚えてねーだろ。」
「そっかぁ…だよなぁ〜。まぁ似たような語感の子はいるだろうしそれの間違いか。」
そして1日は終わっていった。
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あまね(プロフ) - めちゃ好きです!ありがとうございます! (4月22日 10時) (レス) @page10 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小波優凛 | 作成日時:2023年12月3日 20時