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短編】迷い子 (萩原) ページ11

明らかに迷子そうな女性を見かけた。
 今時マップアプリを使えば目的地に着くはずなのに、同じところをぐるぐるしている。

 行っては戻り、行っては戻りをしているので見かねて声をかけた。


「道、よければお教えしましょうか?」

「え、あっ。えと、はい。
 お願いします…。ここに行きたいんですけど…。」


 急に声をかけたので驚いたのだろう。
 しどろもどろに返事が返ってきた。なるほど、ここか…


「この場所なら俺も方向一緒なので一緒にいきましょうか?」

「えっ、いや…お気持ちはありがたいのですが…ご迷惑でしょうし。
 流石に大丈夫だと思うので…ありがとうございます。」


 パタパタと顔の前で両手を振りながら丁重に断られた。
 だが、先ほどの様子を見るかぎり安心できない。


「じゃぁ、俺の行き先まで一緒に行きます。
 だめですか?」

「あ、だ…大丈夫です。」


 ほぼゴリ押しだったが、まぁ問題ないだろうと歩調を合わせて進んでいく。
 ふと気になったので、嫌がられない程度に名前を聞いてみようと思った。


「すみません、無理やりついてきちゃって…。
 一応警官なんでほっとけないんですよ。俺、こういう者です。」

「あ、警察の方でしたか…ご丁寧にどうも。
 私、AAと言います。」

「え、Aちゃん!?」


 名刺を渡した時に何も反応なかったから、初対面の人だとばかり思っていた。
 ところがどっこい、小学生時のクラスメイトではないか。


「えぇ!?会ったことありますっけ!?」

「覚えてないの俺のこと!?松田じんぺーの親友だった萩原研二だよ!?
 小学生の時…○年×組で一緒のクラスだったじゃん!あ、もしかして同姓同名の方だったり…」


 歩きながらお互い驚愕の表情を浮かべる。
 周りも騒がしいので、多少大きい声を出しても問題ない。

 これで同姓同名の別人だったらとんでも無く恥ずかしい。
 頼むから俺の知ってるAA出会ってくれと願うばかりだ。


「松田…じんぺ、い…はぎ…わら研二?
 あ、あーー!!分解魔コンビ!!」

「そんな風に覚えられてたの!?」


 俺、分解魔じゃないんだけどというとごめんごめんと謝ってきた彼女。

 しかしどうにも先ほどから一度も目が合わない。
 俺の目を見ているようで、少しズレたところを見ている。

 しかも声をかけた瞬間から笑みを湛え続けている。もちろん驚いた時は笑っていなかったが。
 愛想笑い…か。

 目的地は目前だ。

続き→←case.抱擁?


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ


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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組 , 黒の組織   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:小波優凛 | 作成日時:2022年11月13日 19時

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