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…finger ページ48

Aさんにものすごい剣幕で注意…?されてから、あまり彼女には連絡を取っていない。

 灰原も、「彼女NOCだって疑われてるのかも…」と案じて連絡をしていないようだ。


 彼女に連絡をしない間にいろいろなことがあった。

 板倉卓の件に、ベルモットに灰原が狙われたり、ボスのメアドを知ったり…。

 捜査一課といることも最近少ないらしい。
 高木刑事曰く、どうやら一課の仕事からは今、離れているのだとか…。


 光彦たちがゲームをしているのを見ている視界の端で、光って携帯が通知を知らせていた。
 差出人を確認すると、Aさんからである。

 急いで確認をすれば、

 ‘しばらく連絡が取れなくてごめんなさい。
 冷たくあしらって悪かったと思ってます…。

 ちょっと疑われていたのだけれど、どうやら晴れたようだからメールくらいは送ることができそうです。

 良ければ教えてあげてください。
  A’


 差し当たりのない言葉選びや所々単語が抜けているところを見ると、まだ警戒しているようだ。
 近くにいた灰原を呼び寄せ、携帯を渡す。


「やっぱり…。
 しばらくは様子見ね。少し彼女に頼りすぎていたのも事実だし、何より彼女はまだ組織に属している。

 おそらく私たちが不利にならないようにはしてくれるわ。
 彼女が消される事だけは避けなきゃね…。」

「あぁ、Aさんが消されちまったら…組織のヤツらを捕まえるどころか、俺たちの秘密がバレちまうってことも考えられる。
 …あの人はこの間自分を向こうの人間だ、って言ってたけどよ、やっぱりAさんはこっちの人間だと思うんだ…。」


 彼女が疑われれば、彼女が提出したシェリーの写っていない防犯カメラの映像も、工藤新一が死亡が濃い行方不明の結果も信憑性を失ってしまうだろう。

 想像するだけでゾッとする。


「彼女、組織としての暦が長いから…仕方ないわ。
 ま、私のその手の技術は彼女仕込みなところもあるし…どうにかするわよ。

 長年伊達に仲良くしてないんだから。」


 ため息をついて呆れ顔をした後にドヤ顔を披露する灰原。改めて二人は本当に仲が良かったようだ。

 灰原は微笑んで…懐かしむように、彼女と過ごした日々を語ってくれる。

 不意に灰原がAさんがカルーソーだと気づいた理由が気になった。
 以前も教えてもらったが事ではあるのだが、他に気になることがあるのだ。

…◇→←…◇



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作者名:小波優凛 | 作成日時:2023年3月22日 19時

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