…telephone ページ17
最近現場に行かされることが多い気がするのは私だけ?と心の中で文句を垂れながら仕事をこなす。
組織内の仕事は半自動化してきた。最近仕事が少ないのだ。多分バーボンあたりが頑張ってるのね。
そんなことよりまた少年探偵団だ。
今回も殺人現場なのだが…。防犯カメラ映像の拡大明瞭化のために派遣された。
このくらい遠隔でやらせてくれ…。この子達とあんまり会いたくないんだ…。
「あ、Aお姉さんに高木刑事〜!」
「お久しぶりです!」
トタタタと効果音のつきそうな軽い足取りで足元に来る少年少女たち。
今回は第一発見者だと言うのだから恐ろしい。
「第一発見者は事情聴取は受けなくていいの?」
「コナンくんが受けてます!」
ま、だよねー。
わかってましたそれくらい。
ふと視線を感じて見ると、哀ちゃんがいた。
私は彼女にいつも見せていた笑顔で笑いかける。
「Aさん笑った〜!」
「えっ、ちょ…シー!」
歩ちゃんの声で周囲の人に見られる。
居た堪れないのでやめてほしい。
「お姉さんも笑うんですね。」
「光彦くん、君は私のことなんだと思ってるの…」
「鰻重好きか!?」
「元太君はお腹でも空いてるの???」
3人の会話を捌くのは大変だが、現場検証などをしている刑事たちに迷惑がかからないように私が相手をするしかない。
コナン君は現場検証に混じっているが、彼はいいだろう。この3人をこっちに引きつけないと…
「Aさん、大変そうね。」
「あんまり君たちみたいな小さい子と関わりがないからね…」
「お姉さんの仕事はもう終わったんですか?」
光彦君好奇心旺盛だな、聡明具合もわかるけど…。元太君はお腹空きすぎでしょ。
現場検証もそろそろ終わるな。今回は麻酔銃じゃなくてヒント与えていくスタイルか。
「私の仕事は終わったよ。どうして?」
「どんなお仕事なのか知りたくて!
お話したいなーって思ってたから…」
チラリと周りを見るとアイコンタクトでOkサインが出たのでオブラートに包んで話す。
「お姉さんの仕事は、カメラの映像を見やすくしたり、消去されたデータをできる限り復元したりする仕事よ。」
「消されたのに戻すことができるんですか?」
ナイス疑問だ光彦くん。
この手は私の得意分野なのだよ、なんて心の中で調子に乗って見る。
「携帯などのデータはただ「削除」しただけじゃ、中にある記録装置に残ってしまう…それを戻すのよ。」
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作者名:小波優凛 | 作成日時:2023年3月22日 19時