…◇ ページ15
そう言うとしょんぼりとしてしまった3人。心苦しいが、本当のことである。
目暮警部や高木刑事には許されている節もあるが、あいにく小学生のこの体ではひらめきを与えたり、麻酔銃で眠らせた人の声を借りて推理するしかない。
そうこうしているうちに阿笠博士のうちについた。
本来ならここでゲームをする予定だったのだが、買い物に来ていたショッピングモールで事件に巻き込まれたのだ。
「蘭ねーちゃん!晩御飯までには帰るね!」
「わかった。博士、よろしくお願いします。」
「任されたわい。」
蘭も帰って行ったので、灰原の様子から気になっていたことを聞き出そうと思う。
それはわかっていたのか、灰原はすでにゲームをしている3人を少し離れた場所から見ていた。
阿笠博士には3人を相手してもらうとしよう。
「聞きたいことがいっぱい、って顔ね。」
「あぁ、でも俺が聞きたいことはわかってんだろ?」
そう言うと済ました顔で、「そうね」と返してくる。
こっちは一体なんなのか気になると言うのに…。焦っても仕方ないが、彼女の正体は知っておくに限る。
「結論から言うとあの人は、Aさんは…
___組織の幹部よ。」
「なっ……大丈夫なのか!?」
あの人が幹部!?つまりコードネームを持っていると言うこと。
その前に組織の人間が警察組織に入り込んでいる…!?なんてこった急いで……
「江戸川くん、最後まで聞きなさい。
どうせやばい、早く連絡しなきゃとか思ってるんでしょうけど。」
「違わないだろ!?よりによって幹部が…!」
反論すると鋭い眼差しで落ち着けと諭される。
俺が多少騒いだところでゲームでワイワイやっている子供たちは気づかない。
「まったく、彼女については最後まで聞いてちょうだい…特殊なんだから。」
「諜報機関のスパ…」
「違うわ。」
…食い気味に否定された。
そうでなければなんなのだ、とジトりとした視線を向けても軽くあしらわれる。
「黙って聞きなさい。
彼女のコードネームはカルーソー。組織の情報統制をになっているわ。
16歳から組織にいる29歳の生粋の日本人女性。
私もこのくらいの見た目の時からお世話になっているわ。彼女とは仲が良かったの。
NOCではないって言うのはさっきのでわかるわね。」
は…?13年間も組織にいるのか!?
しかも日本人…情報統制か…なるほど。
そんなに長くいるなら、灰原がシェリーだと気づいているだろうな。
131人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:小波優凛 | 作成日時:2023年3月22日 19時