ペットじゃなくて（ひまわりイエロー） (ページ3)

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髙橋side

髙「もしもしっ、車お願いできますか！？

家の前にいますっ。

あの、えっと、例の記者の人が、女の人にぶつかって怪我をして、その人が救急車はやめてって言って、でもっ、立てなくて、だから、」

「大丈夫だよ。落ち着いて？」

目の前の女の人が、小声でそう言うと

自分がとりとめもなく話してることに気がついた。

電話の向こうのマネージャーさんは、俺の慌てっぷりに「すぐ行く」とブチっと電話を切った。

マネージャーさんが来てくれるって言う安心感で、ようやく、目の前の女の人をよく見た。

綺麗なライトグレーのパンツスーツを着た、美人な顔をしたお姉さんであることがやっとわかった。

明らかに歳上で、仕事をしてる人。

髙「よかった…車が来るので、病院行きましょう」

「車？…ありがとう」

すごく美人で、痛そうに眉間にシワを寄せるのすら色っぽくて…

ってバカ！

髙「…大丈夫…じゃないですよね。ごめんなさい。」

「いや…あなたは悪くないから。」

髙「でも…あの男の人、僕に用があったみたいだったんで」

「そうなの？あなたも何かされたの？大丈夫？」

胸がギュッと締め付けられた。こんなときに人の心配をするなんて。

髙「僕は何も…。会話とか聞こえてませんでしたか？」

「会話？…ううん。私イヤホンしてて。」

なぜか、聞かれていなかったことにホッとしてる。