ペットじゃなくて（ひまわりイエロー） (ページ34)

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Aside

エントランスに入ったところでようやく声をかけた。

「ね、モモ…」

髙「ん？」

「腰の手、そろそろ。ね、ちょっとくすぐったいし」

髙「…」

「ねぇ無視？」

全然口を聞いてくれないのに、寒っ、と言うと

肩をさすってくれた。

…怒ってるわけじゃないんだ。

あれ、なに私ホッとしてるの。

家に入った瞬間。

髙「他の男と相合傘なんて許せないじゃんっ！？

でもさぁ！この寒い中、Aちゃんを傘に入れずにずぶ濡れにするのも許せない！

じゃあ、相合傘は百歩譲っていいとしても、

相合傘してるのにAちゃんを濡らすって何！？

だめじゃん！！だめすぎる！！」

「うわぁ！」

まだ靴も脱がないうちに抱きしめられる。

「だからそんないきなり飛びつかないでって。こないだも言ったじゃない」

そしたら急に私の頬に手を添えて、また聞いたことない色っぽい声で耳元で囁かれた。

髙「寒かったでしょ。お風呂入れるね。」

…あ、あぶない、この子は19歳、この子は19歳、

この子はペット、この子はペット……

髙「どうしたの？そんなに見つめられたら、」

「ぇ、」

髙「ほっぺにチューしちゃうぞ」

「っ…何言ってんのペットのくせにっ！！」

私はモモを玄関に置き去りにして、バタバタと靴を脱いで脱衣所に向かった。

はぁ…あれ…ドキドキしてる。

濡れた服を脱いで洗濯機に放り込んでいく。

小さい声で、

「イケメンだからって、歳上を弄ぶなっ」

と言いながら。

" ガチャ "

「っ。！？」

髙「あ、ごめん、もう脱いじゃってたんだ」

「…」

髙「はい、パジャマっ。用意せずにお風呂場行っ」

「バカーーーー！！！」

パジャマだけ奪ってモモの背中を押して追い出した。

まだ、キャミソール着てたものの、下はパンツだった。

なんなのあの子！普通声掛けるでしょ！ノックするでしょ！！

大きなため息をついてからお風呂に入った。