ペットじゃなくて（ひまわりイエロー） (ページ31)

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髙橋side

俺をすり抜けて、キッチンに行くAちゃんを追いかけて、2人でお鍋を覗く。

髙「あれ？食べてきたんだよね？」

「高級なお店でガチガチだし早く帰りたかったし、あんまり食べた気がしなかった。

カレー食べたい！」

目をキラッとさせて俺の顔を見たとき、

捲き上げるような風が吹いた感覚がして

その目に見惚れた。

髙「わかった、あっためるから着替えてきて？」

食べた気がしなかったとか言っちゃって、

高級なレストランのご飯を食べたあとに、俺の作ったカレーを食べさせるなんて、

ちょっとプレッシャー…。

…

「いただきます」
髙「いただきまーす」

「……安心する。」

髙「ん？味の感想は？笑」

「…美味しくて、安心する。手料理ってこんなに嬉しいんだね。」

照れ臭そうに、でも素直に気持ちを伝えてくれるAちゃんを見てたらどうしようもなく抱きしめたくなって。

「食べづらいんですけど」

回り込んで後ろハグしちゃった。

髙「早く帰ってきてくれてありがとう」

Aちゃんの首筋に鼻を当てた。

「きゃっ！ちょっと！離れて！

別に、先輩と早く解散したかっただけ」

Aちゃんのいい匂いが鼻の奥に残っても、胸はチクチク痛む。

しょんぼりして自分の席に戻って、またスプーンを手に取った。

ひたすらお皿のカレーをスプーンですくっていると、

「ん」

顔を上げると、目の前にスプーンが差し出されていた。

「あーん」

髙「あー、んっ。んふふふ」

「すーぐ拗ねて、すーぐ機嫌直るのね、単純でいいね」

髙「Aちゃんも、あーん」

「私はいいっ」

髙「あっ、拗ねるぞー？」

「はいはい」