ペットじゃなくて（ひまわりイエロー） (ページ24)

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髙橋side

カーテンの隙間から、目だけを出して外を見た。

一台のタクシーがマンションの下に止まって、

そこから出てきたのはAちゃんとスーツを着た男の人だった。

ショックと驚きで、窓から離れられなかった。

中に入っていくのを確認したら、俺は玄関のドアの前でスタンバイして、おかえりを言うつもりでいた。

そしたら、ドアの向こうから少し会話が聞こえてきて…。

「では、ありがとうございました。」

先輩「全然。それと…さっきの預かってる子の話。俺に出来ることあったら、困ってることあったら言ってね。」

「……お疲れ様でした、また明日。」

扉が開く直前、思わず洗面所の方へ逃げ込んでしまった。

「…ただいまー」

そこから顔だけ覗かせた。

「…どうしてそんなところにいるの？」

それから駆け寄って抱きしめた。

髙「おかえりぃ」

「ぅわ…。」

髙「うわってひどいよ～。Aちゃんもギュってして？」

「わかったわかった」

背中をぽんぽん、とされただけ。それじゃ抱きしめてるって感じしない。

髙「まぁ今日はそれで許そう。ねぇねぇ、ご飯食べよっ？お腹すいたー」

「うぇっ！？なにこれ！？」

髙「あーそれはー、食べたお皿と一緒に片付けようと思ってたから！」

散らかったままのキッチンを見られてしまった。

「もーう…」

髙「ごめんなさい…」

Aちゃんのそんな呆れた顔見たくなかった。喜んでもらえると思ったのに。

でもそんな顔にさせたのは、俺なんだけど…。

「…あ、ごめん、つい…。ご飯作ってくれてありがとう」

仕方ないなぁ、というような笑顔でそう言ってくれて、

やっぱりAちゃんはそんな優しい人だと感じた。

部屋着に着替えてきたAちゃんと食卓に向かい合わせで座る。

「いただきます」
髙「いただきますっ」

「……うん！美味しいっ」

髙「ほんとっ？よかったぁ～」

「すごいねぇ、忙しいのに料理もちゃんと出来るんだ？えらいね～」

髙「でしょー？もっと褒めてもらいたいからまた時間あるとき作るねっ！」

「…ありがと」

散らかしたキッチンは、

作ってくれたから私がやるってAちゃんが綺麗に片付けてくれた。