覚えてる。（JW緑） (ページ5)

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神山side

Aが眠ってから、ご両親を見送りに行った。

母「智洋くん、先生も大丈夫って言ってたことだし、疲れてるだろうから一度帰って休んで？」

父「そうだよ、ありがとうね、仕事もあるんだしちゃんと横になった方がいいよ。

じゃないと君まで倒れちゃうよ」

……Aが俺のこと覚えてたなら、きっと同じことを言う。

そう思ったら涙が勝手に出た。

そしたら2人が俺の肩に手を添えた。

神「また朝起きたとき俺おったら、ただの店の客やのになんでって思われますかね…

そしたら変に勘繰らせたり、気を遣わせたり、かえってあかんかもしれへんですよね…」

情けないなぁ、肩まで震えるほど涙が止まらなくなって。

母「…そばにいてあげてくれる？」

お母さんのほうを見ると困ったように笑っていた。

母「あの子のそばにいてあげて？一緒にいる時間が長い方が早く思い出すかもしれないし。

しかも、一度好きになって付き合った人なんだから悪い印象なんて持たないと思う。

ただ、無茶せずちゃんと休んでね？勝手に無茶して倒れても私たち責任取れないわよ。

……なんて冷たいことも言ってみたけど、やっぱり智洋くんには感謝してるから、体を大事にしてほしいの。

だから、無理はしないでね。」

顔を上げると、お父さんがいなかった。

するとお母さんが諭すように、ちょっと座ろうってベンチに座らせてくれた。

母「うちはね、家族仲いいからよく連絡を取り合うんだけど、

智洋くんと付き合い始めたときに彼氏できたってすぐ連絡が来て。

私も嬉しくて写真見せて～なんて言ったけど、まだ撮ったことないって言っててね。

しばらくしたら写真が送られてきたの。

幸せそうだったなぁ。彼氏なんてあの子何年ぶりかで浮かれちゃっててねぇ～。

ともくんが、ともくんが、ってよく連絡来てたの。」