検索窓
今日:4 hit、昨日:7 hit、合計:167,315 hit

3 ページ3

神山side









先生が気の毒そうに俺を見る。





この入院をきっかけに3日前に初めて会って挨拶したAの親にも連絡した。








ベッドの上で質問の受け答えなどの診察をしている途中で、ご両親が到着した。









母「Aっ!」

父「A……」









どうか、残酷なことは起きませんように。









「…あ、お父さんお母さん…」









よかった、ちゃんとご両親のことは覚えてる。





さっきも受け答えの感じ、やっぱりここ8ヶ月くらいの記憶がないみたいやな…









「あ…こちらね、神山さん。私のお店のお客様なんだけど、店長が連絡したら駆けつけて下さったの」







母「え、A何言って」

神「どうもっ、はじめまして。Aさんのヘッドスパが気持ちよくて通わせて頂いてます、神山 智洋です〜」









お母さんの言葉を遮って、先生の顔を見ると


病状などお話します、と3人で部屋を出た。









……









父「まさか……記憶がないだなんて。本当にこんなことってあるんですか…」






母「せっかく智洋くんが、忙しい合間を縫って来てくれて、しかも今回身の回りのお世話までやってくれてたのに…



智洋くんのことを覚えていないなんて」









改めてそう言われると、グサグサと胸に鋭いものが刺さる感覚がしてまたじわりと涙が滲んできそうやった。









神「こればっかりはもう…そんなん、別にええんですよ。もう一回コミュニケーション取り直せばええわけですし、


俺のこと、誰?って言わんかっただけよかったですわほんまに」









優しいあの子なら、付き合ってたの覚えてへんの?なんて誰かが口を滑らしたら



きっと自分を責める。覚えてなくてごめんなさい、なんて絶対言わせたない。









神「…付き合ってたことは思い出すまではくれぐれも内緒で。



先生も、リハビリとか、ふとしたきっかけで思い出す人もおる言うてたんで、本人を混乱させへんように気長に待ちます。




思い出さへんかったらもう一度お付き合いし直しますし。」

4→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (136 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
474人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

JWJUMP(プロフ) - あおゆさん» 見れました! (2019年11月4日 18時) (レス) id: 066d296756 (このIDを非表示/違反報告)
あおゆ(プロフ) - JWJUMPさん» 不具合確認しました。直りましたでしょうか?ご覧頂きありがとうございます! (2019年11月4日 18時) (レス) id: f382f4c586 (このIDを非表示/違反報告)
JWJUMP(プロフ) - 23からあとが見れないです!更新楽しみにしてます! (2019年11月4日 11時) (レス) id: 066d296756 (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - この作品大好きです!更新楽しみです! (2019年11月3日 23時) (レス) id: c3db2cf019 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あおゆ | 作成日時:2019年11月3日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。