Lily ・Ⅱ【ONE PIECE】 (ページ8)

今日:7 hit、昨日:85 hit、合計:22,669 hit

考古学者と海姫ページ8

．

穏やかな時間が流れている

数日前の嵐を乗り越えた私達は安定した気候の中で航海を続けていた

「なあロビン」

「あらウソップ。どうかしたの？」

「いや、ユリもしかして寝たか？」

私の膝に頭を乗せて静かに寝息を立てているユリ

眠たそうだったから膝枕をしていたらいつの間にか眠ってしまったみたい

「ええ。少し前にね」

「まじか〜！もう少しで昼飯だからよー、サンジに声掛けてこいって頼まれたんだよ」

「あら、もうそんな時間だったのね」

どうやらウソップは昼食を知らせに来てくれたらしい

すやすやと気持ちよさそうに眠るユリには申し訳ないけれど、起きてもらわなくちゃ

そう思ってユリに声をかけようとしたら、ルフィが私達の方へ駆け寄って来た

「あー！ユリ寝てんのか〜！」

「お前、ユリが喜んでたり悲しんでたりする時とか、眠たそうとか、そういうの結構気づくよなぁ

やっぱりそういうのって過ごした時間が長いからか？」

「うーん、よくわかんねぇけど、おれはユリの兄ちゃんだからな！」

「ふふふ」

ウソップとルフィの会話を聞きながらユリの頭を撫でる

「ユリの寝顔は変わんねェな〜！小せぇ頃のまんまだ！」

「あら、そうなの？」

「おう！安心？してるんだってエースが言ってた！」

ルフィが言うには、そばに大好きな人がいるから、安心して眠ってしまうそうだ

「ユリはおれ達のこと、大好きだからな！」

ルフィが眩しい笑顔を見せる

…

ああ、そうだ。そうなのだ。

この兄妹は本当に似ている

エニエス・ロビーのときも、今も。

私は、私達は、

何度救われたことだろう

そのまっすぐな言葉に

柔らかい笑顔に

「…ユリは、あたたかいわね」

ユリの頬に手をあてる

…

「あ！サンジが呼んでる！

おーいユリ！起きないとサンジのメシ食えねえぞ！」

『…ん、おきる、』

「ふふ、髪がはねているわ」

起きたばかりのユリのはねた髪を優しくすく

『…ありがとう、ろびん』

「どういたしまして」

可愛い可愛いユリ

この子の笑顔を守りたい

この子が安心していられる仲間を守りたい

「ユリ、ご飯食べに行きましょう」

ユリの手を取る

小さくて少し暖かい手

私に暖かさと優しさをくれた手

この子の手を離したくない

私は守りたいのだ

．