Lily ・Ⅱ【ONE PIECE】 (ページ37)

今日:77 hit、昨日:28 hit、合計:22,654 hit

マリンフォード頂上戦争　その10 ページ37

．

ユリは薄れゆく意識の中で最後の力を振り絞る

パキパキパキっ…

ユリは押し付けられている拳を掴み、赤犬の拳を海楼石で覆い始めた

ユリが形成する海楼石は、体力消耗のせいで本来の海楼石よりもだいぶ効果が弱くなっている

赤犬vsユリ

我慢比べを挑む

ルフィもエースも見てられず助けに入ろうとするが、マグマのせいで近づけない

赤犬は止まらない

ユリの命を絡め取ろうとマグマを放出している

ユリはエースとルフィを逃そうと声を上げる

『…はやく、はやく、にげて…！！』

だが、小さな声はマグマに掻き消されてしまう

ー

『…ぁ、』

ユリは意識を失う

ユリ体から勢いよく噴き出す大量の血

「「ユリィィィィ！！！」」

ルフィとエースの声

ユリには、もう聞こえない

あの赤犬相手に2分間耐え切ったのだ

ユリが被っていた帽子が赤犬に踏み潰される

「ユリっ！！！」

ルフィの呼びかけに答える者はいない

「あぁ、あ、あ゙あ゙あ゙！！！」

誰よりも守りたい存在

誰よりも守らなきゃいけない存在

おれ達の妹

．

赤犬の後ろでは元の姿に戻ったセンゴクが、ガープを押さえ込んでいた

「そうやって…わしを押さえ込んでおけセンゴク！！！

…でなければわしゃア、サカズキを殺してしまう！！」

もう一人、海軍中で異様な者がいた

「おつるさん！！何をしておる！！」

ガープを抑えていたセンゴクが叫ぶ

つるは自らの手を剣で刺していた

「…わたしはあの子の、ユリの小さい頃を知っている！！

…2年間、育てた…！！」

「おつるちゃん…」

ガープもつるも苦しかった

立場が違うため、助けてやることもできない

…

ルフィは最愛の妹が血だらけで、あまりにも重傷を負いすぎている姿を見て、

エースは自分を助けに来たばかりに妹をこんな目に遭わせてしまったと、

気力だけでもっていた2人の精神が崩れるには十分だった

ユリがまだ生きているかを確かめたいが、すぐそばに赤犬がいるため近づけない

エースとルフィにも赤犬のマグマが迫る

2人を守るマルコ

ジンベエに2人を連れて逃げるように言う

だが、赤犬も本気だ

ルフィとエースを逃しては海軍の恥

その赤犬を殴りつけたのは白ひげだった

地震の白ひげvsマグマの赤犬

．