Lily ・Ⅱ【ONE PIECE】 (ページ21)

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飛ばされた先で　その3 ページ21

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『…！』

「…おれはお二人に赤子を北の海・無人島へ連れて行くように頼まれました

…おれは、恩人である彼らを助けることができなかった…

申し訳ない…！！」

地面に頭を擦り付けて深く謝罪する男

『…顔を上げてください。

…わたしは、あなたのおかげで、今生きている

…両親のことは何も覚えていないけど、あなたが覚えていてくれてよかった

…人は、忘れられたときに、しぬから。』

ユリの言葉にまたぽろぽろと涙を流す男

一部始終を見ていたタイタは北の海・無人島こそが、リルの生きた地であり、死んだ地だと気づく

ようやく落ち着いた男はヨシと名乗る

『…ヨシさん、リルという大きな虎のこと、知ってたりする…？』

「リル！？

北の海・無人島でボスとして君臨していた虎であり、

…ユリ様の、育ての親…」

衝撃の事実に一同驚きが隠せない

ヨシは続けて話す

「…リルはユリ様のことをそれは大切に育てました

…でも、12年前、密猟者が複数上陸したことで、島の動物たちは皆相打ちしてしんでしまったのです…」

12年前。

タイタが話すリルがしんだ年と同じ。

「…ユリ様、お腹に傷があるでしょう…？

それは、その時に密猟者から付けられた傷なのです

ユリ様は大量出血により、血が不足しており瀕死の状態でした…

そのとき、リルはユリ様に自身の血を飲ませてユリ様の命を繋いだのです…！」

初めて知る真実

ヨシは鳥と会話できるらしく、無人島の鳥と連絡を取り合っていたため、この事件の真相を知っていたらしい

「……そうか、だからユリからリルを感じるのだな…」

タイタは静かに話を聞き、ユリからリルを感じる理由に納得したようだ

『…タイタ…ごめんなさい…！

わたしのせいで、あなたのお父さんが…！』

ユリはリルがしんでしまった原因であることを知り、タイタに頭を下げて謝罪する

そんなユリを見て、タイタがそっとユリに擦り寄る

「…いいんだ、ユリ

ユリが生きていてくれてよかった」

ユリの頬を涙が伝う

ユリを慰めるようにタイタとテオがユリの涙を拭ったり、もふもふの体を擦り寄せたりしていた

リルが命をかけてまで守りたかった存在

ユリの人柄に触れたタイタはユリに心を許し、リルの代わりにユリを守ることを決意する

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