Lily ・Ⅱ【ONE PIECE】 (ページ20)

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飛ばされた先で　その2 ページ20

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「…人間」

威圧感を感じる低い声

「パパ！ユリはオレたちの言葉が通じるんだ！」

「…なに」

大きな虎はゆっくりとユリに近づく

「…何者だ」

『…わたしの名前はユリ』

ゆっくりと、ゆっくりと

ユリに近づいて、大きな虎は目を見開く

「…お前からなぜリルを感じるのだ…！？」

『…リル…？』

ユリは困惑する

リル、とは一体誰なんだろう

わたしとどんな関係があるのだろうか

大きな虎はユリと会話が可能なことが本当であることに驚き、ユリにある話を聞かせる

「…わしの名はタイタ。この島の長じゃ

______わしには、わしよりも大きな体を持つ父がおった

歴代のどんな虎よりも強く、誰よりも長生きだった父の名はリル…！！

ティーグル島の長の座をわしに引き継がせ、自分は隠居すると言ってリルは北の海へ行った

だが、12年前のこと。リルは北の海でしんだのだ

交友のあった鳥たちから聞いた」

タイタの父であるリルの話を聞いたユリ

なぜ、ユリからリルを感じるのか

タイタの疑問はそこだった

再びタイタが口を開こうしたとき、

「助けてくれ〜！そこのお嬢さん〜！」

見る限り、この場にお嬢さんはユリしかいない

『…あなたは誰？』

ユリは虎にビビって腰を抜かしたであろう男性に近づく

『…わたしはユリ。あなたは？』

ユリの名前を聞いた男性は目を見開き驚いているようだ

ユリが不思議に思っていると、男は涙を流し始めた

『…！？ど、どうしたの…？』

「…あぁ、あなたが、ユリ様…」

男は大粒の涙を流して、動きにくい体を無理やり動かし、ユリに土下座をするような体制になる

『…！？』

「…おれは、ずっと、あなたにお会いしたかった…

…おれは、14年前、あなたの両親に、命を救われたのです」

ユリは両親のことを覚えていない

『…わたしは両親を覚えていないの…だから、』

「それでもです…

おれを助けたせいで、あなたの両親は命を奪われてしまった」

初めて聞く両親の話

男性が言うには、今にもしにそうだったところを救ってもらったのだとか。

男性を助けたせいで、海を操れることが周囲にバレたため、すぐに刺客が襲ってきたのだと。

「…おれを助けてくれたお二人は、生まれたばかりだという赤子を抱えていました

…その赤子の名前は、ユリ」

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