飛ばされた先で その1 ページ19
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※「飛ばされた先で」はオリジナルのキャラクターが出てきます
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ユリは凄い速さで空を飛び続けていた
黄猿に貫かれた左肩
PX-1のレーザービーム
体が激痛に耐えきれずユリは気絶してしまう
…
ユリは地面に落下する
ユリを待っていたのは激痛ではなく、柔らかな肉球のベッドだった
ユリはボロボロな体のまま体を起こす
『…ここは、一体…』
周囲を見渡すが目に映るのは木、木、木。
ここはジャングルらしい
痛む肩を抑えて立ちあがろうとしたとき、何者かの気配を感じ取る
動かず息を潜めてじっと森を見つめる
ガサガサという音がして出てきたのは、子虎
ユリも子虎もお互い目を合わせて数秒止まる
______覚えているだろうか。
ユリはコルボ山のボス虎さえも一瞬で手懐けたことを。
この子虎も例外ではなかった
ユリよりも先に動き出した子虎はユリのそばまでやってきてスリスリと体を寄せる
ユリは驚いたが寄ってきた子虎を撫でる
『…虎さん、ここはどこ…？』
動物と話せる訳ないのに。
ぽつりと漏れた言葉
「ここ？ティーグル島。
虎の島だよ」
まさかの返答があった
ユリは驚いてキョロキョロと辺りを見渡すが、誰もいない
まさか…
ユリは隣にいる子虎を見てみる
「あ、こっち見てくれた」
『え、喋った…？』
「ボクの言葉分かるの！？」
パニック
ユリは子虎が喋ったことに驚き、子虎は自分の言葉が人間に理解されたことに驚く
どうやらユリは虎とだけ、会話が可能らしい
…
ユリと会話が可能だと分かった子虎は、さらにユリに甘える様に擦り寄った
デロデロに甘やかされ喉がゴロゴロ鳴りっぱなしの子虎
ユリの手は気持ち良かったらしい
ここで、ようやくユリの体が血だらけでボロボロなことを知った子虎
「ユリをパパのところに案内するよ！」
さあ乗って！
きらきらした目で見られては行くしかなかった
この子虎はテオ
テオの親はこの島のボスらしい
パパなら怪我を治してくれるかも！！
本当に…？？
ユリはどきどきしながらテオに揺られていた
…
「パパ！」
テオのパパ、基
大きな体躯の虎がこちらを見た
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作者名：そふと | 作成日時：2024年2月23日 18時
