Lily ・Ⅱ【ONE PIECE】 (ページ2)

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海賊狩りと海姫ページ2

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 ｢なんか引っかかったぞーー！！｣ 

ルフィやウソップ達が釣りで騒いでいる

今さっき寝たばっかりのユリが起きちまうじゃねえか

ここのところ戦闘が続き夜の見張りもこなしていたコイツは、今日も見張り台に向かおうとしていたが流石にナミに止められておれの隣まで手を引かれてやってきた

「ゾロ！ユリが眠そうだからちゃんと見てなさいよ！」

突然連れてきたにも関わらずそんなセリフと共に去っていたナミ

お前はコイツの母親かよ、と思いながら寄ってきたユリの顔をのぞくと、確かにこれは眠たそうな顔だ

寝ている時に船が揺れて放り出されても困るのでユリの腕を引いて自分があぐらをかいて座っている上に横抱きにして抱えた

いつもはひんやりとしているユリの体は寝ているときだけ少し体温が上がる

温かいコイツを抱えていると眠くなってくるのには抗えず少しの間眠っていたのだがいつも通りの騒ぐ声を聞いて目が覚めた

ほんの少し瞼を開けると、腕の中でユリが寝ている

…

ユリの寝顔を見ていると、出会った頃を思い出した

コビーと別れて3人での旅が始まって早々にユリの体が海であることを知った

能力者の天敵である海を完璧に味方につける彼女はいずれ世界から狙われてしまうかもしれない

それでも守り抜こうと思った自分がいた

出会ったばかりの自分に何の危機感も持たず眠るユリを見て。

  『……ん。あれ、……ぞろ？』

もぞ、と腕の中にいたユリが動いて目を覚ました  

｢おう、目ェ覚めたか。ユリ｣ 

『…ぞろ、わらってる』

ユリがおれのほっぺたを軽く摘んでふわふわ笑っている

おれは、この寝起き特有のふにゃふにゃした笑顔が好きだったりする

出会った頃から何にも変わってねえ。

ユリの手を柔く掴んで赤子を寝かしつけるようにぽんぽんと軽く叩く

「ほら、まだ次の島までは時間があるんだ。まだ寝足りねえだろ？寝とけ」

『……ん、』

コイツの寝顔を見るたびに思うことは変わらねぇんだ

たとえ世界がユリを敵と見なそうが。

どんな脅威からもおれ達が守ってやればなんの問題もない

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