伝えるということ (ページ1)

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第1話ページ1

それは・・放課後のことだった、信号無視した車に轢かれそうになったお姫ちゃんを藤崎が庇い・・
轢かれた
すぐ救急車が来たみたいで命は取り留めたが意識不明の重体に陥っていた、お姫ちゃんと笛吹、俺と道流と椿と藤崎の母親と妹もかけつけた

紗[ボッスン！ねぇ目を覚ましてよ！(泣)]
瑠海[お兄ちゃん！(泣)]
茜[佑助！あんたこんなとこでくたばる男じゃないでしょ！？いいからさっさと起きなさいよ！(泣)]
椿[愚か者！君が死んだらどれだけの人が悲しむと思ってるんだ！(泣)]
藤崎が寝てるベッドの周りには紗綾と藤崎の妹の瑠海、そして母親の茜さんと椿が泣きながらも必死に呼びかけていた
ヒメ[あたしのせいや・・・あたしが急いで逃げなかったから・・(泣)]
椿[そう自分を責めるな鬼塚、君のせいじゃない]
安[あぁ・・悪いのは全部信号無視をした車だ]
ヒメ[・・・・(泣)]
榛[お姫ちゃん・・外行こうか]
道流がそう言うとお姫ちゃんは頷き、そして二人は静かに病室を後にした
ガラッ
パタン
安[・・・・・]
紗綾たちが泣いてる中、俺と笛吹は黙ることしか出来なかった・・しばらくの沈黙が続いたが笛吹がパソコンのキーを打ち始めた
ス[・・ボッスンを轢いた車・・あの中には妊婦さんが居たようだ]
その言葉に全員が笛吹の方へ振り向いた
ス[とあることで産気づき、旦那さんと病院へ向かってる最中・・誤って信号無視をしてしまい、ヒメコを庇ったボッスンを轢いてしまった・・・こう考えた方がつじつまが合う]
ガラッ
その時、病室の扉が開いた
医師[その妊婦さんなんですが・・]
茜[先生！]
医師[あのあと、すぐに病院へ行き・・無事元気な赤ちゃんが生まれました、でも・・]
ス[でも？]
医師[旦那さんはもし佑助くんが死んでしまったら過失致死として訴えられてしまいます、確かに彼がやったことは許されることではない・・でもせっかく生まれた子どもに会えず刑務所行きにされるとは・・どうでしょうか？]
先生の話を聞き、誰も口を開こうとはしなかった・・俺はただ、藤崎が仮に死ぬとして、死ぬ前にちゃんと謝ってもらいたい・・それだけのことなのに・・
安[っ・・・くそっ！(泣)]
ガンッ！
俺は悔しさのあまりグーで壁を叩いてしまった、俺の手から血が出るほど強い勢いで
紗[！お兄ちゃん・・血が・・・]
椿[すぐに手当てをします！]
安[・・・(泣)]
痛さと悔しさでいくら涙を止めようにも溢れ出てきた、手当てをしてもらい、俺たちはまた沈黙の中ただ藤崎を見てることしかできなかった