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episode9 ページ10
side兎束
目が覚めると、もう外は真っ暗になっていた。
体調もだいぶ良くなってきたし、明日からは業務に戻れそうだ。
「起きましたか。体調大丈夫ですか？」
『七海……!?なんで……。』
「行かないでって言ったのは貴方でしょう。」
『え……聞こえてたの……!?』
顔が火照るのを感じる。
この熱さは熱のせいだと信じたい。
「ええ。」
意地悪そうに笑った顔はまるで狼のようだった。
七海が私の頭を優しく撫でる。
いつもは私にこんなことしてこないくせに。
こんな七海、知らない……。
従順な兎は狼にされるがまま。
兎は狼に肩を優しく押され、そのまま狼の腕の中で眠ってしまった。
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作者名：揺音想愛(yuotosoa) | 作成日時：2024年3月6日 19時
