いつか、いなくなる日がくるのなら【赤羽業】 (ページ49)

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48話〜祭りへ〜ページ49

赤く光る提灯とどこからか漂う食べ物の良い匂い。
多くの人が行き交う道の両サイドに建てられた魅惑的な屋台。

そう、私たちは今殺せんせーの思いつきでお祭りに来ている。
……はずなのだけれど。

『……あ、赤羽くん？』

業「ん？」

『なんでどんどん人が少ない方に……とか聞いてもいい……かな？』

来た時は確かにみんないたはず。
それなのにどうしてか今は赤羽くんと二人でお祭りを回っている。それも恋人繋ぎをして。

業「んー、まぁ色々事情はあるけど1番は俺が2人きりになりたかったから、かな」

『っ…なっ』

業「Aちゃんってすぐ赤くなるよねぇ、かわい」

なんで今日はこんなに甘いのっ、この人！！

＿＿＿＿＿約2時間前。

夏休み最終日。課題も終わってリビングでくつろいでいれば突如外で突風が吹く。
その影響でガタガタと窓ガラスが軽く揺れた。

視線を動かせば殺せんせーが手作りの木の看板を持っていて、読んでいくと「夏祭り！」の文字。

これは、来いというこのなのか…。
私は幸い予定もないし行けるのだけど、隼人はどうなのだろう。
昨日の夜から出かけてしまった隼人はいつ帰ってくるかも分からない。

一通り文字を読み終わったタイミングで殺せんせーはまたどこかへ飛んでいってしまう。
これは……どうするべき……？

＿＿＿約1時間30分前。

携帯から鳴る着信音に気づいて画面を見てみれば"赤羽くん"の文字。

『もしもし？』

まだ、何かを言われたわけでもないのに赤羽くんと言うだけで緊張してしまう。

業［もしもし、今平気？］

『へ……！？うん！大丈夫！！』

業［ふふ、緊張してる？］

あぁもう恥ずかしい。気づいてもそういうことは言わないで欲しいと思うのは私だけなのだろうか。

『……それで、何かあったの？』

業［殺せんせーから夏祭りに誘われたでしょ？せっかくなら一緒に行かないかなって］

『は、隼人来るか分からないよ？』

業［俺はAちゃんと行きたいんだよ］

胸焼けしそう。きっと電話の向こうの彼は悪戯っぽく笑ってるんだろう。

『……準備して待ってる』

そう言えば彼は「うん、迎えいく」と優しい声色で言った。

＿＿＿約45分前。

あの後隼人も帰って来てお祭りのことを話せば「俺も行く」と隼人も行くことに。

『ねぇ、これ変じゃない？』

隼「おー」

『気合い入りすぎとか思われない？』

隼「大丈夫、大丈夫」

『真面目に答えてよ！』